出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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心膜炎
しんまくえん

もしかして... リウマチ熱  川崎病  心筋炎

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心膜炎とは?

どんな病気か

 心臓をおおっている心膜に起こる炎症です。細菌やウイルスによる感染症、膠原病、リウマチ熱川崎病、心臓手術後などが原因になります。

症状の現れ方

 症状は、胸痛のほか、発熱が多くの場合にみられます。胸痛は体位で変化し、横になると痛みが増し、上半身を起こしている時や前かがみになると痛みが和らぐのが特徴です。赤ちゃんであれば、横にすると機嫌が悪くなります。

 原因のいかんにかかわらず、心膜腔に貯留液が大量にたまると心臓が外から圧迫されるため、血圧の低下など重い状態になります。これを心タンポナーデといい、命に関わる病態ですので、早急に貯留液を取り除く必要があります。

検査と診断

 心臓の聴診では心膜の摩擦する音が聞こえ、心電図ではST上昇などの変化、胸部X線写真では心拡大がみられます。心エコー(超音波)では、心膜腔という心臓をおおっているスペースに貯留液がたまっていることで、容易に診断できます。

治療の方法

 細菌性心膜炎は一般的に重症で、心タンポナーデになることがしばしばあります。本症が疑われる場合には貯留液を排出し、その液のなかの細菌培養を行い、抗菌薬を投与します。

 ウイルス性心膜炎は心筋炎と同様、かぜに似た症状、腹部症状などが先行することがあります。心タンポナーデはまれで一般的に症状は軽いですが、重症の場合は心筋炎の合併に注意が必要です。治療は抗炎症薬などの対症療法を行います。

(執筆者:新潟県立新発田病院小児科部長 塚野 真也)

心膜炎に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、心膜炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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