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ボックダレック孔ヘルニア
ぼっくだれっくこうへるにあ

もしかして... 呼吸不全

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ボックダレック孔ヘルニアとは?

原因は何か

 通常は、胎生8~9週ころまでに横隔膜が形成されますが、この時期までに横隔膜の後外側孔(ボックダレック孔:解剖学者の名前)が閉じられないと、腸管が胸腔内に陥入し、本症が起こります。

 先天性横隔膜ヘルニアの3つの疾患のなかではボックダレック孔ヘルニアの発症が最も多く、出生児2000~3000人に1人と報告されています。

症状の現れ方

 症状の程度は発症の時期により異なります。多くの場合は出生直後から重症の呼吸不全、高度のチアノーゼを伴った多呼吸が認められます。胸部は樽状に膨隆し、逆に腹部は陥凹しています。呼吸障害が強く、出生直後から人工呼吸管理が必要になります。

 特殊な例としては、出生直後には呼吸器症状は示さず、年長になってから、かぜをひいて強い咳をした時や腹部を打撲した時に発症する場合があります(遅発型)。

検査と診断

 患側の胸部で腸雑音を聴診できることがあります。胸部単純X線検査で確定診断ができます。現在は出生前に胎児超音波検査で発見できる場合が多くなりました。出生前に診断がついた場合は周産期センターに妊婦を搬送し、新生児科医、小児外科医の立ち会いのもとに分娩し、出生後ただちに治療を開始します。

治療の方法

 呼吸と血液、心臓の状態が良く、動脈血中酸素飽和度が100%以上あれば、開腹して横隔膜形成術を行います。しかし呼吸不全と高度のチアノーゼが認められ、動脈血中酸素飽和度が低下している場合は、呼吸循環動態を安定させてから横隔膜形成術を行います(横隔膜の欠損が大きい場合は人工膜を使用)。

 呼吸循環動態を改善させるために高頻度換気装置、また一酸化窒素(NO)ガス(肺胞血管拡張作用がある)を使用し、さらには人工肺(ECMO)装置を数日間使用して動脈血中酸素飽和度を改善し、呼吸循環動態を安定させてから横隔膜形成術を行います。

予後

 出生後24時間以内の発症例は予後が悪く、救命率は約50%程度と報告されています。年長児で発症する遅発型ボックダレック孔ヘルニアでは100%救命されます。

ボックダレック孔ヘルニアと関連する症状・病気

(執筆者:獨協医科大学第一外科教授 藤原 利男)

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