出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
毛細血管拡張性運動失調症
もうさいけっかんかくちょうせいうんどうしっちょうしょう
毛細血管拡張性運動失調症とは?
どんな病気か
小脳性運動失調症、錐体外路症状、毛細血管拡張ならびに気道感染の反復を主症状とする常染色体劣性の遺伝疾患である原発性免疫不全症です。
症状の現れ方
幼児期に進行性の小脳性運動失調、時に錐体外路症状で発症することが多く、次いで眼球結膜、耳介・胸部などの皮膚の毛細血管拡張が生じます。さらに慢性気管支炎、肺炎、気管支拡張症などの気道を中心とする易感染性(感染しやすい)を示すようになります。年長児においては呼吸不全と非ホジキンリンパ腫、白血病などの悪性腫瘍の合併が高い頻度で生じ、予後を左右します。
検査と診断
頭部CT、MRIでは小脳虫部の著しい萎縮が認められます。血清α-フェトプロテインの上昇、線維芽細胞とリンパ球の放射線照射によるDNA修復の障害があります。また末梢血Tリンパ球の減少と機能低下、血清IgA、IgE、時にIgG2、IgG4の欠如が認められます。
治療の方法
IgGサブクラスの欠乏がある症例では、免疫グロブリン置換療法が行われますが、根治的な治療法はまだありません。早期から継続的な理学療法(運動療法など)と言語療法を行います。
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