出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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リウマチ性多発筋痛症
りうまちせいたはつきんつうしょう

リウマチ性多発筋痛症とは?

高齢者での特殊事情

 主に50歳以上、とくに70代に好発し、男女比は1対2とやや女性に多く発症します。四肢近位部と体幹、とくに頸部、肩、腰部のこわばりと痛みを特徴とし、多くは対称性、多発性です。痛みは自発痛で、圧迫や運動によってそれほど変化しないのが特徴です。微熱、全身倦怠感、食欲不振、体重減少などの全身症状を伴うこともあります。

 検査は赤血球沈降速度(血沈)亢進、C反応性蛋白(CRP)上昇、フィブリノゲン上昇などの炎症所見が主体で、特異的な所見はありません。筋力低下、筋萎縮は認められません。

治療とケアのポイント

 治療は非ステロイド性消炎鎮痛薬のみで改善する場合もあるので、まずこれを試みます。効果が十分でない時は、少量のステロイド薬を使用すればすみやかに症状の改善がみられます。

 しばしば側頭動脈炎を合併し、この2つの疾患は病因的に密接に関係していると考えられていますが、原因は明らかではありません。

 また、基礎に悪性腫瘍がひそんでいることがあり、とくにステロイド薬に対する反応が悪い場合には、注意が必要です。

リウマチ性多発筋痛症と関連する症状・病気

(執筆者:椙山女学園大学生活科学部長 内藤 通孝)

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