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大腸がんとは?

高齢者の大腸がんの特徴

 大腸がんの発生頻度は加齢とともに増加する傾向があります。東京都老人医療センターの連続剖検の5082件の検索では、60代では5・6%、70代では4・9%、80代では6・4%、90歳以上では7・1%に大腸がんが認められたと報告されています(金沢暁太郎:老人の大腸癌、クリニカ1998、25)。また最近の10年ではその前の10年に比較して1・5倍程度の増加を示しています。

 高齢者の大腸がんの特徴として、近位側結腸つまり右側のがんの頻度が増加すること、および多発がんの頻度が増すことがあげられます。

手術適応について

 75歳以上の患者さんの大腸・直腸がんの術後の生存状況をみると、高齢者でも大腸がんを切除することによって死亡率の低下や長期生存が得られていることがわかります。90歳以上の進行大腸がん手術は、出血および腸閉塞により緊急手術となる頻度が高いのですが、切除率や手術死亡率は70代と同様であり、積極的に治癒切除をするべきとする報告もあります。したがって、高齢者の大腸がんは積極的に手術するべきと考えます。

根治性手術の考え方

 大腸がんではリンパ節郭清のレベルを上げても、胃がんのように手術そのものが大きく変わることはなく、手術時間、出血量、手術侵襲が大きく増すことはありません。また、術後の食事摂取に支障のないことが多いため、高齢者でも重篤な合併症がなく、根治性の期待できる進行がんの場合には2群以上の系統的リンパ節郭清(D2)を伴う根治手術を行うべきであるとする報告もあります。

 すなわち、高齢者に対する外科医としての実感やこれまでの報告からは、胃がんと違って高齢であるという理由によって根治性を落とした手術をする必要はないと思われます。根治性を落とすべきなのは、併存する合併症に対してであり、これは年齢に対してではない、ということです。

人工肛門の造設と管理

 高齢者では大腸がんの緊急手術の頻度が非高齢者に比較して有意に高いことや、合併症があったり全身状態が悪かったりすることが多いことなどから、下行結腸、S状結腸、上部直腸の腫瘍を切除しても、一次的に結腸の吻合をしないで、肛側断端の結腸を閉鎖し口側断端の結腸を人工肛門造設に用いる、ハルトマン手術が行われる場合があります。また寝たきりの状態にある患者さんで大腸がん術後の排便の介護に多大な労力を要する時には、管理の容易な人工肛門(消化管ストーマ)を造設することになります。このような理由で高齢者は人工肛門増設の機会が増えます。

 高齢者では動作の緩慢化、視力・聴力などの各感覚機能の低下、記憶力、判断力、理解力の低下などがあるため、人工肛門の自己管理を進めていくうえで、数々の困難があります。患者さんに人工肛門を提示して、必要なことをポイントをしぼって繰り返し説明することが重要です。家族や介護者を含めた周囲の理解が必要です。

大腸がんと関連する症状・病気

(執筆者:山形大学消化器・乳腺甲状腺・一般外科(第一外科)主任教授 木村 理)

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