出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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外陰炎
がいいんえん

もしかして... 腟炎

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外陰炎とは?

どんな病気か

 外陰部の皮膚は抵抗性が弱く、しかも尿・便・帯下(おりもの)・生理による出血などによって汚染されやすいため、炎症が起こりやすい状態になっています。もともと腟内に炎症が起こっている時には、帯下により原因菌が外陰部に付着するため、腟炎に続いて外陰炎を合併することも少なくありません。この場合、外陰炎だけを治療しても根本的な解決にはならないため、腟内の炎症の有無についても注意が必要です。

 外陰炎は、化学的刺激(石鹸や薬剤など)・物理的刺激(下着や生理用ナプキンなど)などによって起こる非感染性のものと、細菌・カビ(真菌)・ウイルスなどによる感染性のものとに大きく分けられます(表5表5 外陰炎の分類)。

表5 外陰炎の分類

症状の現れ方

 多くの場合、かゆみ、痛み、熱感などのほか、腟炎合併時には帯下の異常(量が多い、においや色が気になる)が現れます。そのほか、異物感、しこり、出血、潰瘍などがみられることもあります。

 以下、外陰炎の個々の疾患について述べます。

(執筆者:東京大学医学部附属病院女性診療科・産科助教 織田 克利)

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