出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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子宮発育不全症
しきゅうはついくふぜんしょう

子宮発育不全症とは?

どんな病気か

 厳密な定義はありませんが、子宮の大きさが各年齢相当の正常子宮に比較して小さい場合を子宮発育不全症と呼びます。

原因は何か

 原因としては、先天的な子宮低形成と卵巣機能不全に伴う後天的な発育不全に分かれます。

 先天的な子宮低形成としては、ミュラー管の発育不全が原因であることが多く、腟欠損で解説したロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群では、痕跡的な子宮しか認められません。また、先天性疾患であるターナー症候群のような染色体異常でも、子宮発育不全を認めることがありますが、これは卵巣機能不全に伴うものです。

 先天的な異常を認めない場合でも、思春期以後の卵巣機能不全により低エストロゲン(女性ホルモン)が長期間に及ぶと子宮の発育不全を来したり、いったん正常に発育した子宮が萎縮することがあります。

治療の方法

 先天的な子宮低形成は、治療は不可能であり、妊娠することも困難です。後天的な子宮発育不全では不妊症習慣流産の原因となる場合があり、治療としてホルモン療法が試みられますが、奏効率はあまり高くありません。

(執筆者:東京大学医学部附属病院女性診療科・産科副科長 百枝 幹雄)

子宮発育不全に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、子宮発育不全に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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