出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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妊娠貧血
にんしんひんけつ

もしかして... 鉄欠乏性貧血

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妊娠貧血とは?

どんな病気か

 妊娠中にヘモグロビン11・0g/dL未満、ヘマトクリット33・0%未満である場合を妊娠貧血といいます。妊娠中は妊娠初期から血漿量が増加し、8~12週では10~20%増加、妊娠30週以降は約50%増加となるため血液が希釈され、見かけ上の貧血が認められるようになります。

 妊娠中は赤血球数は増加し、胎児への鉄の供給も必要になるため鉄欠乏になりやすく、鉄欠乏性の小球性低色素性貧血になりやすい傾向があります。

診断と治療

 鉄欠乏性貧血の診断は、血清鉄の低値、総鉄結合能の上昇、フェリチン値の低下によります。

 治療には鉄剤の投与を行います。

(執筆者:東京大学医学部附属病院女性診療科・産科教授 上妻 志郎)

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