肺サルコイドーシス
はいさるこいどーしす
肺サルコイドーシスとは?
どんな病気か
サルコイドーシスは原因不明の多臓器疾患です。若年者と中年に好発し、両側肺門リンパ節、肺、眼、皮膚に病変を示すことが多い特徴がありますが、肝臓、脾臓、耳下腺、心臓、神経系、筋肉、骨や他の臓器が侵されることもあります。
診断は臨床症状および胸部X線写真の異常に加えて、病変部の組織を採取し、組織学的に壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明されれば確実になります。既知の原因による肉芽腫と、局所性サルコイド反応はサルコイドーシスとは診断しません。
肺サルコイドーシスとは、肺にサルコイド結節が存在する疾患ですが、肺門リンパ節や縦隔リンパ節にも同時にサルコイド結節が多く合併します。
原因は何か
原因は不明ですが、アレルギーあるいは免疫反応が背景にあると考えられています。
症状の現れ方
日本人では、症状は霧視(視界に小さなゴミのようなものが見える)が多く、サルコイドーシスの多くの患者が前眼部ぶどう膜炎を合併することから、眼科から内科に紹介されます。また、ごくまれに発熱、倦怠感、体重の減少などの症状があります。痛みを伴わない皮膚結節、皮下結節、筋肉内の結節、頸部、腋窩、鼠径部にリンパ節の腫脹(はれ)を自覚することもあります。
検査と診断
霧視があり、胸部X線像あるいはCT像で縦隔および肺門リンパ節がはれている場合は、サルコイドーシスが強く疑われます(図27)。日本人のサルコイドーシスは、軽症例が多い特徴があります。
サルコイドーシスの診断には組織検査が必要です。表在リンパ節を皮膚切開して取り出すか、気管支ファイバースコープを使って肺組織を採取して、顕微鏡で診断をします。どうしても組織を取りたくない患者さんには、気管支ファイバースコープを使って気管支肺胞洗浄(BAL)をすることにより細胞を採取し、Tリンパ球の増加とCD4/CD8リンパ球の比率の増加を確認すると診断率は高くなります。この比が3・5を超える時は、サルコイドーシスの確定は94%に達するといわれています。
血液検査では、ACE値の上昇、血清カルシウム値の増加が認められることがあります。また、多くの症例でツベルクリン反応が陰性になります。
治療の方法
サルコイドーシスは、約50%は自然に治る疾患なので、日常生活に支障がなく、重要臓器の障害もなく進行性でなければ、経過観察とします。眼の障害は基本的には点眼ステロイド薬を使用し、改善がなければ内服ステロイド薬を使います。
重要臓器の障害として、心臓サルコイドーシスがあります。これは伝導系の異常や心筋へのサルコイドーシス結節がその病態の中心です。
また、腎サルコイドーシスでは腎機能不全、神経サルコイドーシスでは、顔面神経麻痺、視神経炎、視床下部下垂体異常、髄膜炎などがみられ、このような重症例ではステロイド薬の内服治療が必要です。ステロイド薬に反応しない症例や中年以降の女性の発症例では、治療が長期間に及ぶ傾向があります。
病気に気づいたらどうする
霧視を自覚し、頸部、腋窩、鼠径部にリンパ節のはれを自覚したり、皮膚、皮下組織、筋肉に結節を自覚し、それらに痛みがない場合には、サルコイドーシスの可能性があります。日本人の場合、重症例は多くないので深刻になる必要はありませんが、眼病変、心臓、腎臓、肺などの重要臓器の障害の程度を見極めて治療が必要かどうかの決定をしなければなりません。呼吸器内科専門医のいる病院を受診して、治療方針を決定します。
サルコイドーシスに関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、サルコイドーシスに関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニン錠5mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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デルモベートクリーム0.05%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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フルオレサイト静注500mg ジェネリック
その他の診断用薬(体外診断用医薬品を除く。)
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デカドロン錠0.5mg
副腎ホルモン剤
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メサデルムクリーム0.1%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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リンデロン散0.1%
副腎ホルモン剤
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ソルベガクリーム0.05% ジェネリック
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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