出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

肺の良性腫瘍
はいのりょうせいしゅよう

つぶやく いいね! はてなブックマーク

肺の良性腫瘍とは?

 皮膚にできるいぼやほくろと同様に、肺にもいろいろな種類の良性腫瘍ができることがあります。これらの良性腫瘍は一般に無症状で、大きくなる速度も遅く、転移することはありません。良性腫瘍であることが明らかで、サイズが小さく、無症状であれば、そのまま経過を観察するだけで十分です。

 しかし、ゆっくりではあっても次第に大きくなりますし、腫瘍ができた部位によっては、咳や痰の原因になったり、気管や気管支を圧迫して肺炎や息切れなどを起こします。また、X線やCT検査では、肺がんなどの重要な病気と見分けがつかない場合もあります。放置しているとやがてがん化するものもあります。

 このような場合には、手術で腫瘍を取るべきとされています。肺の良性腫瘍と診断された場合、大きな心配は不要ですが、注意深い経過観察が重要です。

肺の良性腫瘍と関連する症状・病気

(執筆者:九州大学医学研究院胸部疾患研究施設教授 中西 洋一)

おすすめの記事

肺の良性腫瘍に関する医師Q&A