出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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アミロイドニューロパチー
あみろいどにゅーろぱちー

アミロイドニューロパチーとは?

どんな病気か

 アミロイドとは、絹のような構造をもつ特異な蛋白質で、体のいろいろな臓器や組織に沈着することにより臓器の障害を起こします(図28図28 アミロイドの沈着)。全身にアミロイドが沈着するもの(全身性アミロイドーシス)と局所に沈着するもの(限局性アミロイドーシス)があり、とくに全身性のタイプでは骨髄腫に伴ったり、腎透析に伴ったりするものがあります。

図28 アミロイドの沈着

 最も重要なものは、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)です。世界的に注目されている神経難病のひとつで、日本でも治療費は公費負担になっています。

 FAPの病型は4つに分類されていますが、日本ではI型が圧倒的に多く、このI型はポルトガル人、日本人(長野県と熊本県に大家系が存在している)、スウェーデン人に多くみられるタイプです。

症状の現れ方

 I型は、下肢末端の自発性の感覚異常(針で刺すようなチクリとした痛み、乱切痛)で発症し、次第に温痛覚(表在感覚)が強く侵され、深部感覚(振動覚、位置覚)は侵されない(感覚解離)のが特徴です。時に、胃腸症状(便秘・下痢)が先行し、男性は陰萎(インポテンツ)が起こり、次第に激しい自律神経障害(起立性低血圧、大小便失禁など)が出現してきます。

 筋萎縮が手足に現れると、運動障害のために歩行困難、四肢末端の皮膚栄養障害、難治性潰瘍を伴い、約10年前後で重症感染症、心不全、尿毒症などで死亡するのが一般的です。

 最近の疫学調査では、高齢発症のFAPの存在が注目され、心不全、運動障害が前面に出て、自律神経障害が軽度であることが指摘されています。

検査と診断

 沈着するアミロイド蛋白は、アミノ酸分析で検出される異型トランスサイレチン(TTR)という物質と関連しています。このTTRの点変異(DNAの1塩基の欠失、置換、挿入のこと)の存在を検出することで、早期診断が可能となっています。

治療の方法

 発症様式や沈着の機序(仕組み)はまだ不明で、アミロイドが溶けにくいなどの理由もあり、治療法の開発はいまだに困難になっています。肝臓で生成される異型TTRを止めるためにFAPの患者さんに対する肝移植療法が行われ、効果をあげています。

(執筆者:興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授 齋藤 豊和)

神経炎に関連する可能性がある薬

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興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授 齋藤豊和

 大部分がユダヤ人の家系に発症する、常染色体劣性形式をとる遺伝性の疾患です。日本では類似の報告はみられますが、典型的な本症は報告されていません。

 自律神経症状と末梢神経症状が中核になります。出生時から哺乳障害、成長障害、反復性の呼吸器感染症がみられ、自律神経障害として、起立性低血圧(起立時の失神発作)、流涙分泌障害(角膜潰瘍を起こしやすい)、味覚障害、痛みの鈍麻(痛みを不快な感覚とは感じない)、時に一過性の皮膚発赤(興奮時、食事時に顔面、胸部、四肢に大きな紅斑が出る。血管運動神経障害による)などが現れます。

 根治的な治療法はなく、対症療法にとどまります。人工涙液での角膜潰瘍対策などです。

 4分の1の患者さんは10歳までに死亡し、半数は22歳までに死亡するとの報告があります。

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 手根管症候群の半数は原因不明ですが、血液透析患者、妊娠中、糖尿病、甲状腺機能低下症や関節リウマチによる手関節の変形などさまざまな原因で現れます。母指球筋(親指の付け根にある筋)などの萎縮で、手の筋力低下が現れたり、激しい痛みがあったり、感覚が完全になくなった時には、圧迫部位の開放手術が整形外科で行われます。

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