ユーイング肉腫
ゆーいんぐにくしゅ
- 整形外科
- 診療に適した科
ユーイング肉腫とは?
どんな病気か
ユーイング肉腫は、ユーイングという人が最初に報告した肉腫です。ユーイングは骨髄の血管の細胞が腫瘍化したものと考えましたが、現在もその腫瘍細胞がどこから発生したものかはっきりしていません。
悪性骨腫瘍全体の5%前後とまれな腫瘍で、20歳までに約4分の3の人が発症し、骨肉腫と同じくらいか、もう少し年少の年代に多いようです。
骨肉腫と異なる特徴は、関節部分から遠い骨の中心に病気が起こること、骨の腫瘍にもかかわらず骨の外への進展が速く、痛みや周囲のはれがとても強いことです。
放射線療法や化学療法(抗がん薬)に対する反応はよいのですが、転移しやすく、骨や肺への転移のために5年生存率は10~40%程度と悪性度の高い腫瘍です。
原因は何か
前に述べたように、ユーイング肉腫の細胞が何から生じたのかは不明ですが、この腫瘍細胞に遺伝子異常が認められることがわかっています。この遺伝子異常がユーイング肉腫の発生に関与していると考えられます。
症状の現れ方
大変強い疼痛が特徴です。その程度は、同じ悪性の骨腫瘍である骨肉腫よりも強いことがしばしばです。病気の進展に伴って、局所の熱感や圧痛(押すと痛む)がはっきりとしてきます。周囲の軟部への拡大が速く、神経刺激症状として現れることもあります。
また、体温が高かったりすることも特徴のひとつです。そのため、骨の細菌感染、いわゆる骨髄炎と区別することが必要です。
検査と診断
骨の破壊と骨外への進展を示す骨膜反応がみられます。骨盤や脊椎などに起こることもまれではありません。このような場所は、X線写真の解読が難しいところでもあり、骨をおおっている軟部組織が厚いために早期発見の難しい場合もあります。
X線写真でははっきりしない時期に、すでに骨の周囲のはれがはっきりすることがあるので、痛みとはれが続く時にはMRIなどの検査を受けるとよいでしょう。骨シンチグラフィー検査では、病気のある部位の高い取り込みが観察されます。ほかの骨の悪性腫瘍と区別するには一部の組織を採取して顕微鏡レベルで調べる、いわゆる生検が必要です。
治療の方法
診断がついたら骨肉腫の時と同じように化学療法を行います。放射線療法を行うこともあります。
そののち、手術で周囲の正常組織で包むように病変部を摘出します。この時には腕や足を極力残せるように手術を計画します。しかし安全に、または完全に手術でとれない場合には切断が行われることもあります。手術のあとには再度化学療法を行います。
病気に気づいたらどうする
ただちに骨軟部腫瘍専門の病院を受診しましょう。日本整形外科学会のホームページに専門病院が紹介されています。
悪性骨腫瘍に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、悪性骨腫瘍に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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ヨンデリス点滴静注用0.25mg
その他の腫瘍用薬
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ランダ注10mg/20mL
その他の腫瘍用薬
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カルボプラチン点滴静注液50mg「NK」 ジェネリック
その他の腫瘍用薬
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エトポシド点滴静注液100mg「サンド」 ジェネリック
抗腫瘍性植物成分製剤
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ラステット注100mg/5mL
抗腫瘍性植物成分製剤
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ドキソルビシン塩酸塩注射用10mg「NK」 ジェネリック
抗腫瘍性抗生物質製剤
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注射用メソトレキセート50mg
代謝拮抗剤
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シスプラチン点滴静注10mg「マルコ」 ジェネリック
その他の腫瘍用薬
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アドリアシン注用10
抗腫瘍性抗生物質製剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。