眼瞼炎(眼瞼縁炎、眼瞼皮膚炎)
がんけんえん(がんけんえんえん、がんけんひふえん)
- 眼科
- 診療に適した科
眼瞼炎(眼瞼縁炎、眼瞼皮膚炎)とは?
どんな病気か
まぶたの炎症で、主にまつ毛の根元付近に起こるものを眼瞼縁炎、主にまぶたの皮膚に起こるものを眼瞼皮膚炎といいます。
原因は何か
眼瞼縁炎には、ブドウ球菌という細菌がまつ毛の毛根、脂腺や汗腺に感染して起きる化膿性のものと、皮脂腺の分泌過剰による非感染性のもの(脂漏性)があります。化膿性のものは重症化する傾向がありますが、脂漏性のものは潰瘍などは生じず、まつ毛の欠損も起こしません。
これに対し、眼瞼皮膚炎は、外来の物質が原因で起こる皮膚のアレルギー性炎症です。原因物質(アレルゲン、抗原)は多種多様で、例をあげ始めるときりがありません。
たとえば、薬剤としてはあらゆる点眼薬・軟膏の各種成分、化粧品、石鹸、シャンプー、毛染め剤、ウルシなどの植物、食品(とくに味・臭いの強いもの)、また金属や皮革、ゴムまで原因となりえます。また、注射薬や内服薬の副作用として眼瞼皮膚炎が発症することもあります。
症状の現れ方
眼瞼縁炎は、左右両側の眼瞼縁の発赤、発疹、ただれやあかむけ(潰瘍)、かさぶた(痂皮)などを生じます。慢性化しやすく、軽快と悪化を繰り返し、重症例ではさかまつ毛(睫毛乱生)やまつ毛の欠損(睫毛禿)、皮膚の肥厚、まぶたの変形、外反症を生じます。
眼瞼皮膚炎は、まぶたの皮膚のかゆみを伴った発赤、紅斑(赤み)、腫脹が起き、やがて水疱などができて皮膚がただれ、角化した表皮がぽろぽろとれてくる(鱗屑、落屑)ようになります。
検査と診断
感染性のものか非感染性のものかの区別が重要です。そのため、細菌培養を行います。眼瞼皮膚炎(非感染性)はアレルゲンの同定を行い、それとの接触を避けるようにします。
皮膚に微量の各種の成分をつけて、それぞれに対する皮膚の発赤の有無、程度で原因をさがす検査(パッチテスト)を行いますが、これで原因が特定できないこともあります。
治療の方法
眼瞼縁炎では、まぶたを清潔にすることが重要です。1000倍程度に薄めたベビーシャンプーなどで、まぶたの縁を洗浄します。くわえて、感染性では抗菌薬の点眼や眼軟膏の塗布を行います。
眼瞼皮膚炎は、アレルゲンが特定できれば、それとの接触を避けるようにします。また、薬としてステロイド軟膏を塗ります。症状が強ければ、抗ヒスタミン薬などを内服します。
病気に気づいたらどうする
まぶたの発赤、腫脹、かゆみなどの症状があれば、早めに眼科を受診してください。原因によって治療も異なるので、素人療法は禁物です。
眼瞼炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、眼瞼炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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オフロキサシン点眼液0.3%「杏林」
眼科用剤
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レボフロキサシン点眼液0.5%「TS」 ジェネリック
眼科用剤
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パニマイシン点眼液0.3%
眼科用剤
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フルオロメトロン点眼液0.1%「わかもと」 ジェネリック
眼科用剤
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リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%
眼科用剤
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プレドニン眼軟膏
眼科用剤
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ブロムフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」 ジェネリック
眼科用剤
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アズレン点眼液0.02%「わかもと」 ジェネリック
眼科用剤
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クロラムフェニコール点眼液0.5%「ニットー」
眼科用剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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