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細菌性角膜炎
さいきんせいかくまくえん

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細菌性角膜炎とは?

どんな病気か

 細菌が角膜に感染して、強い炎症を起こす病気です(図21図21 細菌性角膜炎)。

原因は何か

 角膜の表面には上皮細胞がきれいに張っていて、また、その上の涙のなかには細菌感染から眼を守るさまざまな分子が含まれているため、通常はなかなか感染が生じません。ところが、角膜の表面が傷ついた場合はこの防御線がくずれ、角膜に感染を起こしてしまいます。

 昔は、たいてい角膜に異物が飛び込んだ時などに表面に傷がつき、そこから細菌が感染していましたが、最近はコンタクトレンズが原因の感染が非常に増えています。

症状の現れ方

 角膜に細菌が感染すると、眼の痛みと白目の充血を伴って視力が低下し、涙や目やにがかなりたくさん出ます。角膜に白いにごりがあるのが、肉眼でわかることもしばしばあります。通常は片眼性です。

 非常に重症で手遅れとなった場合は角膜に孔があくことがありますが、この時は温かい涙が突然たくさん出ます。これは、眼内の液(房水)が外へ突然もれだすためです。

検査と診断

 角膜の悪くなっている部分をこすりとって、それを顕微鏡で調べたり、培養したりして、菌が感染していることを確認するとともに、菌の種類とどのような抗菌薬が有効か(感受性)を検査します。

治療の方法

 抗菌薬の投与を行います。軽症では点眼薬を頻回投与(1時間に1回など)しますが、重症例では、それに加えて点滴や結膜下注射(白目のところへの注射)を行います。この場合は、多くは入院治療が必要となります。

 このような薬物治療で治らない場合や、強いにごりを残して治った場合は、角膜移植を行うことになります。

病気に気づいたらどうする

 細菌性角膜炎は日に日に悪くなる病気で、治療のスタートが遅れれば遅れるほど予後が悪くなるので、早く眼科を受診する必要があります。また、異物が入った時は、それが感染のきっかけになるので、症状が軽くても、やはり放置せず眼科を受診しましょう。

 コンタクトレンズが感染源として疑われた場合は、そのコンタクトレンズを保存液につけたままで持っていけば、検査設備の整った病院なら、そこから原因となった微生物を見つけることができる場合があります。

細菌性角膜炎と関連する症状・病気

(執筆者:鳥取大学医学部視覚病態学教授 井上 幸次)

コラムコンタクトレンズと眼感染(装用に伴う角膜感染とその対策)

鳥取大学医学部視覚病態学教授 井上幸次

 昔は、角膜の感染症は異物飛入によるものがほとんどでしたが、最近はコンタクトレンズに伴う感染が増加しています。そのため、昔は角膜感染症を起こす年齢のピークは50~60代であったのですが、最近ではそのピークが10~20代に変化してきています。

 コンタクトレンズを使用している人は、酸素不足やドライアイやコンタクトレンズによる機械的刺激の影響で、角膜の表面に小さい傷ができる(点状表層角膜症)ことが多く、現に常時小さい傷が認められる人も決してまれではありません。そして、そこへコンタクトレンズに付着した微生物がもち込まれれば、何らかのきっかけで感染を起こしてもおかしくないといえます。

 感染を起こす事例の多くは、眼が痛くても無理に使用したり、保存液として古い汚れたものや保存液以外のものを使用したり、使い捨てのレンズを使い捨てずに再使用するなどといった誤った使用方法が原因となっています。感染を起こした人のコンタクトレンズ保存液をみせてもらうと肉眼でみても汚れているのがわかる人さえいます。また、アカントアメーバは水道水のなかにもいますので、コンタクトレンズを水道水で洗ったり、水道水を保存液代わりに使用していると容易にコンタクトレンズがアメーバで汚染されます。

 さらに最近では、ある程度正しくコンタクトレンズを使用している場合でも、感染を起こすケースがあることが問題となっています。昔はコンタクトレンズを消毒するために煮沸をしていたのですが、コンタクトレンズをより使いやすくするために、最近は洗浄・保存・消毒・すすぎがひとつの溶液でできるmulti-purpose solution(MPS)というものが開発され、これで消毒を行うことが一般的になっています。ところがこのMPSによる消毒は煮沸ほど完璧なものではなく、たとえばコンタクトレンズにこびりついた細菌は溶液につけておくだけでは殺すことができません。あくまでもしっかりと擦り洗いをすることが前提になっています。また、アカントアメーバに対する効果はかなり低く、明らかな誤使用がなくても感染する可能性があります。

 少なくともきめられた使用方法はしっかり守り、コンタクトレンズを扱う時はしっかりと手を洗い、擦り洗いを十分に行う必要があります。保存ケースの定期交換も非常に重要です。コンタクトレンズを使用している人は、コンタクトレンズ自体が眼にとってはそもそも異物であり、それを眼の表面に長い時間接触させるにあたっては、十分な注意が必要であることを、よく自覚しておくことが重要です。

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