外耳道炎
がいじどうえん
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
外耳道炎とは?
原因は何か
外耳道炎を起こすきっかけの大半は、耳かきや爪で外耳道に傷をつけることで、そこから炎症が広がります。元の外耳道が健康で炎症が軽度であれば、多くの場合は放置しても自然に治ります。1~2日たっても症状が軽快しない場合は、耳鼻科を受診したほうがよいでしょう。繰り返される外耳道炎は、全身状態の悪い人(糖尿病、免疫疾患など)にみられることがあるので要注意です。
治療の方法
一般的な治療としては、外耳の消毒、抗生剤や副腎皮質ステロイド薬を含んだ軟膏の塗布、抗生剤の内服でほとんどの症例が容易に治ります。しかし次のように難治性の場合もあり、注意が必要です。
①外耳道湿疹の合併
アレルギー体質などの全身症状が関係するといわれますが、外部からの化学的刺激(シャンプー、化粧品など)による局所的な所見としてみられることもあります。急性湿疹では水疱、落屑(表皮から角質片がはがれ落ちる)、耳だれなどをみることがあります。かゆみが強くがんこであるため、知らないうちに患部に触れてしまい二次感染を起こす場合があります。
治療法としては、ステロイド軟膏の塗布、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服が有効です。治療時の消毒薬、抗生剤で逆に湿疹が悪化することがあるので要注意です。
②真菌の合併(図10)
外耳道に真菌、つまり水虫と同じようなカビ類の菌がつくもので、一般的には外部からの接触で感染します。中耳手術後や糖尿病の患者さんにもしばしばみられます。
強いかゆみに襲われ、かいてしまうことにより二次感染を起こします。一般の人が自分で治すのは困難で、頻回の通院を必要とします。専門医に診てもらえば、特有な肉眼所見や顕微鏡検査で容易に診断がつきます。
治療法としては、まず外耳道内を清潔にするために洗浄したり、抗真菌薬を塗布します。重症の場合は抗真菌薬を内服します。外耳道炎との合併で、外耳道炎の症状が強く出ている場合、抗真菌薬、抗生剤、副腎皮質ステロイド薬の混合軟膏を使うと効果がみられることもあります。いったん外耳道炎の症状が改善したら、ただちに抗生剤や副腎皮質ステロイド薬の使用を中止します。これらの薬物は真菌を増殖させるので要注意です。
まれな疾患ですが、いったんかかると治りにくく、進行していくタイプの外耳道炎です。緑膿菌感染によるもので、外耳道の皮膚だけでなく周囲の軟骨や骨を破壊し、場合によっては頭蓋内にまで進行することもあります。
全身状態の悪い患者さん(糖尿病、白血病、がんの末期など)に多くみられることから、局所的な治療とともに全身疾患のコントロールも大切です。
外耳炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、外耳炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
-
▶
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%
眼科用剤
-
▶
レボフロキサシン錠500mg「DSEP」 ジェネリック
合成抗菌剤
-
▶
セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用10%「CH」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
-
▶
トスキサシン錠75mg
合成抗菌剤
-
▶
ベタメタゾンリン酸エステルNa・PF眼耳鼻科用液0.1%「日点」 ジェネリック
眼科用剤
-
▶
サンベタゾン眼耳鼻科用液0.1% ジェネリック
眼科用剤
-
▶
ビジュアリン眼科耳鼻科用液0.1%[眼科用] ジェネリック
眼科用剤
-
▶
ダラシンカプセル75mg
主としてグラム陽性菌に作用するもの
-
▶
エリスロマイシン錠200mg「サワイ」 ジェネリック
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
-
▶
セフジニル錠50mg「サワイ」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
おすすめの記事
外耳炎に関する病院口コミ
-
シロップの薬で助かりました
患者さんの声さん 30~40代女性 2015年10月04日投稿
3才の娘が土曜の夕方から発熱、休日診療所は遠くて困っていたら、たまたま主人が外耳炎で通院していたこちらの耳鼻科が日曜も診てくださっていたので利用しました。 熱のせいで機嫌が悪かった娘ですが、がんばった… 続きをみる
-
お子様をもつ親に人気
ゆきさん 20代以下女性 2011年10月24日投稿
外耳炎で一度通わせていただきました。 子供さんが多かったです。 子供さん用にもいろんなフレーバーの蒸気が出る機械?が用意させているようで、他の病院では見たことなかったです。 朝から入口で患者さんが並… 続きをみる
-
兵庫県芦屋市の耳鼻科 子供のかかりつけ医にしたい!
yumicoさん 30~40代女性 2009年10月09日投稿
8年ほど、大学医学部や法人で勤務された後、昭和63年9月からこの場所で開業してらっしゃいます。 地域に根差した「家庭医」として信頼できる、医療を患者にとってもっと身近に、という思いで診療してきた、とHPに… 続きをみる
外耳道炎に関する医師Q&A
外耳道炎、酵母様真菌について
4月頃から耳の中が痒く耳の中を触ったり掻いたりしているうちに痛みがでてきたため耳鼻科を受診、外耳道…
右耳がいつも耳だれがあります。 毎日気になって綿棒でさわっています。 ひどい時は綿棒が耳だれで…