乗り物酔い
のりものよい
乗り物酔いとは?
どんな病気か
乗り物に乗っている過程で、むかつき、冷や汗、顔面蒼白、吐き気が起こり、最終的には嘔吐に至る状態をいいます。
原因は何か
乗り物酔いに内耳のはたらきが深く関係していることがわかってきたのは、比較的近年になってからです。
船、自動車、電車、飛行機などに乗っていると、連続的な揺れ(加速度刺激)が内耳に加わり、この刺激と他の刺激、たとえば眼に映るまわりの景色などの視覚刺激、体の筋肉で感じる知覚などとの調和がとれなくなり、感覚に混乱が生じるために、乗り物酔いが起こると考えられています。
症状の現れ方
気分が悪く顔色が蒼白になり、冷や汗をかき、生唾が多くなり、吐き気がして吐いてしまうなどの自律神経症状が主体で、頭痛やめまいも起こります。高齢者や3歳以下の小さい幼児は酔いにくく、男女を比べると女性のほうが酔いやすい傾向があります。
小児期は酔うというよりも、頭痛やバランスの障害が強く出ます。思春期を超えるころからバランスの障害が弱くなる代わりに、酔いの程度が強くなります。初めて経験する乗り物で酔いやすい傾向もあります(訓練された宇宙飛行士でも宇宙酔いを起こします)。
治療の方法
一般的な乗り物酔いの防止には、
①前日には睡眠をしっかりとる。
②早朝の出発の際は2~3時間前から起きて頭をすっきりさせておく。
③出発前に軽く(腹八分目)食事をとる。
④揺れの少ない座席を選び深く座る。
⑤ゲームをしたり、歌ったりして気分をそらす。
⑥酔いやすい人はあらかじめ酔い止めの薬をのむ。
などが効果的です。
電車やバスの場合、席が空いていれば進行方向に向かうように座ります。座れなければ進行方向に向いて立ち、体を安定させるとよいでしょう。つり革はあまりよくありません。
飛行機の場合、外界がよく見えないので、酔いやすい人はあらかじめ酔い止めの薬をのんだり、少しアルコールを飲んで寝てしまうのもひとつの方法です。
船の場合、キャビンのなかにいるのはよくありません。船首に近いデッキに出て、遠方の水平方向を見るとよいでしょう。しけの時は諦めて、酔い止めの薬をのんで眠るようにします。
自家用車の場合にはシートは固いものにし、後部座席に乗り、シートベルトをしっかり締めます。
もし酔って具合が悪くなったら、横になって頭を動かさないようにして、冷たい風に当たって、ベルトや衣類をゆるめ安静にします。酔い止めの薬があれば、それをのんで眠るのがよいでしょう。症状が重い時には、乗り物から降りる以外に方法はありません。
積極的に治すには、普段から運動をよくして、内耳が乗り物の動揺に対して強くなるように鍛えるしかありません。ブランコ、鉄棒、マット上での回転運動、ダンスなどのように、頭や体を激しく動かし、内耳を強く刺激するのが効果的です。
動揺病に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、動揺病に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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炭酸水素Na静注7%PL「フソー」
解毒剤
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トラベルミン配合錠
鎮暈剤
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ピレチア錠(5mg)
抗ヒスタミン剤
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メイロン静注8.4%(20mL)
解毒剤
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ドラマミン錠50mg
鎮暈剤
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ヒベルナ注25mg
抗ヒスタミン剤
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重ソー注7%「CMX」
解毒剤
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炭酸水素ナトリウム静注7%「NP」
解毒剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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