ウェゲナー肉芽腫
うぇげなーにくげしゅ
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
ウェゲナー肉芽腫とは?
どんな病気か
ウェゲナー肉芽腫は、①鼻を中心とした気道、耳、眼、肺の肉芽腫、②全身の血管の炎症、③腎臓の炎症を3主徴とする難治性の病気です。病型には①~③のすべてがそろった全身型と、腎臓の病変を伴わない限局型とがあります。
比較的まれな疾患で、治療を受けている患者さんは全国で700人程度です。男女差はなく、好発年齢は30~60代とされています。
原因は何か
血管炎の一種とされていますが、はっきりした原因はわかっていません。しかし、本症の患者さんの血液中に抗好中球細胞質抗体(ANCA)が見い出されるため、本疾患の原因に深く関係しているものと考えられています。
症状の現れ方
①耳・鼻・のどの症状
70~80%の症例は耳鼻咽喉科領域の症状で初発します。鼻の症状としては、鼻づまり、鼻漏(膿性)、鼻汁の悪臭などで、進行すると鞍鼻(鼻が低くなる)になります。耳の症状も30~40%にみられ、難聴、耳だれ、耳痛などがみられます。のどの症状は10~20%にみられ、のどの痛み、声がれなどが主な症状です。
②眼の症状
約半数に眼の症状が現れます。眼がはれる、よく涙が出る、物が二重に見えるなどの症状です。
③その他の症状
全身型では、発熱や体重減少のほか、皮膚症状、肺症状、腎症状などが現れることがあります。
検査と診断
本症の頻度は比較的少ないので、診断が困難なことがあります。とくに、限局型や非活動期では確定診断に至らないことがよくあります。患者さんの血清中に存在するC(PR-3)ANCAを測定することが有用です。さらに鼻の病変の組織をとって調べる生検も有力な診断法になります。
治療の方法
治療の要点は、重症度に応じて薬剤を選択して完全寛解(病状が治まっている状態)に導き、それができれば、少量の薬剤で寛解を維持していくことです。基本となるのは副腎皮質ステロイド薬とシクロホスファミドの併用による免疫抑制療法です。両薬剤ともいろいろな副作用があるので、その副作用を予防する治療も大切です。
これまで予後は一般に不良といわれてきましたが、早期診断、早期治療が増加するにしたがって、予後は著しく改善してきました。しかし、寛解したあとも長期の観察が必要です。
病気に気づいたらどうする
前述の症状があれば、設備の整った総合病院の耳鼻咽喉科への受診をすすめます。
ウェジナー肉芽腫症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ウェジナー肉芽腫症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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リツキシマブBS点滴静注100mg「KHK」 ジェネリック
その他の腫瘍用薬
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リツキサン点滴静注100mg
その他の腫瘍用薬
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アザニン錠50mg[クローン病・潰瘍性大腸炎・自己免疫性肝炎]
他に分類されない代謝性医薬品
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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注射用エンドキサン100mg
アルキル化剤
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