尿道下裂
にょうどうかれつ
尿道下裂とは?
どんな病気か
尿道の出口がペニスの先端になくて、ペニスの途中や陰嚢にある病気です。図11のように背面の包皮が過剰で、ペニスの屈曲を伴うことが多く、その程度はさまざまです。
外見の問題だけでなく、立位での排尿ができない、将来的に性交渉に支障を来すなどの問題があります。軽症のものを含めると男児出生300~500人に1人の頻度でみられます。
原因は何か
先天性の病気で原因はよくわかっていません。胎生8~9週に尿道の原基となる溝ができ、9週ごろから胎児の精巣から分泌されるテストステロンにより陰茎と尿道の形成が進みます。この段階でホルモンの産生や作用の異常が起きると、うまく尿道が形成されなくなると考えられます。尿道が形成されなかった組織が屈曲の原因になっています。
検査と診断
泌尿器科専門医の診察で診断は容易ですが、程度が高度な場合、停留精巣や陰嚢の発育不全を伴う場合には、半陰陽が疑われ、染色体検査、ホルモンの検査が必要になります。また特殊な場合として、尿道の出口は正常で屈曲だけがみられることもあります。
治療の方法
ごく軽度の場合を除いて手術が必要です。手術は屈曲を直し、包皮を用いて尿道を形成し、さらに必要な場合は亀頭の形成を行います。高度な場合は2回に分けて手術をすることもあります。手術の時期は施設により違いがありますが、ふつうは1~3歳までに行います。
手術の合併症として、新しくつないだ尿道が狭くなったり、尿道の途中から尿がもれたりする問題が起こりやすく、再度手術が必要になることも少なくありません。
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