出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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ニコチン酸欠乏症(ナイアシン欠乏症・ペラグラ)
にこちんさんけつぼうしょう(ないあしんけつぼうしょう・ぺらぐら)

  • 内科
  • 診療に適した科

もしかして... 認知症  せん妄

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ニコチン酸欠乏症(ナイアシン欠乏症・ペラグラ)とは?

原因は何か

 ニコチン酸とは、NAD+、NADH、NADP+やNADPHとして多くの酵素の補酵素(酵素の作用発現を助ける物質)として作用し、生体内の酸化還元反応に重要な役割を担った水溶性ビタミンです。

 不規則な食事をするアルコール多飲者で欠乏症がみられることがあります。

症状の現れ方

 ニコチン酸欠乏症(ナイアシン欠乏症)はペラグラとも呼ばれ、皮膚炎、下痢と認知症が主な症状です。皮膚炎では顔面、頸部や手足などの日光に当たる部分に両側性、左右対称性に発赤、水疱、痂皮(かさぶた)の形成や褐色の色素沈着が現れます。下痢は激しく、一般の止痢薬は無効で、ニコチン酸類の投与が必要になります。

 精神症状としては認知症症状、不安、抑うつ状態、せん妄、幻覚が現れます。神経症状としては錐体路症状、錐体外路症状、小脳症状、末梢神経障害が現れます。

治療の方法

 ニコチン酸アミドを1日50~100mg投与します。ニコチン酸だけでなく、他のビタミンBの欠乏を合併することも多いので、ビタミンB1、B2およびB6も併用することが望まれます。

(執筆者:東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学教授 菅原 明)

ペラグラに関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ペラグラに関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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