全身性アミロイドーシス
ぜんしんせいあみろいどーしす
もしかして... 骨髄腫 透析アミロイドーシス 手根管症候群 壊血病 甲状腺機能低下症
全身性アミロイドーシスとは?
どんな病気か
いろいろな蛋白質がアミロイド線維(分枝しない線維状で、水に極めて不溶)として全身組織に沈着し、さまざまな障害を引き起こす疾患です。
原因は何か
以下に、沈着するアミロイド成分による分類を示します。
①免疫グロブリン性アミロイドーシス(免疫グロブリンL鎖が沈着)
a.原発性全身性アミロイドーシス
b.骨髄腫に伴うもの
②反応性(続発性)
慢性活動性疾患に伴うもの。SAA(血漿アミロイドA蛋白)が沈着。
③家族性アミロイドーシス
家族性アミロイド性多発神経障害など。異常トランスサイレチンなどが沈着。
④透析アミロイドーシス(β2-ミクログロブリンが沈着)
⑤老人性アミロイドーシス(トランスサイレチンが沈着)
症状の現れ方
乳白色から黄色の蝋様の丘疹が眼瞼、首、外陰部にできます。また、紫斑(眼瞼に)、結節、局面(盛り上がった紅斑)、強皮症様硬化、色素沈着、脱毛など、さまざまな形態で現れます。
皮膚以外の症状としては、倦怠感、起立性低血圧、しわがれ声、爪の変形、巨舌、肝肥大、浮腫(むくみ)などがあります。とくに、手根管症候群が他の症状と併せてみられる時は、アミロイドーシスが疑われます。
検査と診断
組織検査では、コンゴーレッド染色で赤色、緑色偏光を示すことが特徴的です。ダイロン染色で赤橙色、チオフラビンTで黄色蛍光を示します。電子顕微鏡で、アミロイド線維が証明されます。直腸粘膜、皮下脂肪の生検(組織をとって調べる)によるアミロイドの特定が必要です。
免疫グロブリン性アミロイドーシスの場合は、血中免疫グロブリンの増加、尿蛋白陽性になり、骨髄腫の検索が必要です。区別すべき疾患には、血小板減少性紫斑病、壊血病、甲状腺機能低下症、環状肉芽腫、サルコイドーシス、リンフォーマ、黄色腫、脂肪類壊死症があります。
治療の方法
原発性アミロイドーシスの患者さんの平均余命は13カ月といわれ、骨髄腫に伴うアミロイドーシスではより短いとされています。心臓、腎臓にアミロイド沈着による障害を来した場合、予後はとくによくありません。
心、腎不全に対する対症療法を行います。
病気に気づいたらどうする
皮膚科、内科を受診します。
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