ハンセン病
はんせんびょう
ハンセン病とは?
どんな病気か
らい菌により主として皮膚と末梢神経が侵される慢性の全身性感染症です。
原因は何か
らい菌は、皮膚または粘膜の小さな傷から侵入するといわれています。菌自体の感染力は弱いものの、家族内に感染者がいると菌との接触が濃厚になり、感染しやすくなります。乳幼児ほど感染しやすく、成人の感染はまれです。
症状の現れ方
らい菌は、主に皮膚と末梢神経に病変を起こします。そのため、知覚麻痺(痛・触・冷・温覚麻痺)、末梢神経肥厚などの神経症状が起こります。また、指が曲がって変形したり、顔面神経の運動麻痺も起こります。
皮膚の発疹の現れ方はさまざまですが、ヒトのらい菌に対する抵抗力と相関があり、菌に侵された組織の所見から、らい腫型(L型)、類結核型(T型)、境界群(B群)、未定型群(I群)に分類されています。治療のうえからは、組織に菌が多数見られる多菌型(L型、B群)と、組織に菌が少ない少菌型(T型、I群)に大きく分けられています(WHO分類)。
①らい腫型(L型)
らい菌に対する抵抗力が弱いため、病巣組織内に多数のらい菌が増殖しています。辺縁がはっきりしない紅斑、丘疹(ぶつぶつ)、結節(しこり)が、全身に左右対称性に現れます。頭髪や眉毛の脱毛も起こりますが、知覚障害や神経の肥厚はほとんどありません。
②類結核型(T型)
菌の増殖は末梢神経内だけに限られます。境目がはっきりして辺縁が盛り上がるか、あるいは平らな斑(図57)が部分的に、また、非対称性に現れます。知覚障害がしばしばみられ、神経の肥厚も目立ちます。
③その他
L型とT型の中間の境界群(B群)や、頻度の低い未定型(未分化)群(I群)があります。B群は、境界のはっきりしない大小の赤い斑が多発しますが、らい菌に対する免疫状態が安定していないのでいろいろな病態がみられます。I群は、淡い赤さの斑と皮膚の色の抜けた斑が現れ、知覚の低下や発汗障害がみられます。自然によくなったり、進行して他の型に移行します。
一般に少菌型では神経の障害は大きく、多菌型では少ないのですが、必ずしも病型と相関しません。慢性の経過中に急性増悪を来すことがあり、"らい反応"と呼ばれています。B群の患者さんでは浮腫性紅斑や硬結(しこり)が特徴的で、神経痛も伴い、多菌型の患者さんではらい性結節性紅斑と、発熱、リンパ節腫脹、関節痛など全身症状もみられます。
治療の方法
一般の感染症として外来治療が主体となり、入院・隔離されることはありません。
リファンピシン、ジアフェニルスルホン、クロファジミン、オフロキサシンが保険で認められており、これらの併用療法が行われます。
ハンセン病に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ハンセン病に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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タリビッド錠100mg
合成抗菌剤
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ランプレンカプセル50mg
抗ハンセン病剤
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リファジンカプセル150mg
主として抗酸菌に作用するもの
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リファンピシンカプセル150mg「サンド」 ジェネリック
主として抗酸菌に作用するもの
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オフロキサシン錠100mg「サワイ」
合成抗菌剤
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レクチゾール錠25mg
その他の外皮用薬
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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