出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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尋常性疣贅・青年性扁平疣贅・尖圭コンジローマ
じんじょうせいゆうぜい・せいねんせいへんぺいゆうぜい・せんけいこんじろーま

もしかして... 外陰がん  子宮頸がん

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尋常性疣贅・青年性扁平疣贅・尖圭コンジローマとは?

どんな病気か

 皮膚、粘膜の微小な外傷部位などにヒト乳頭腫ウイルス(HPV)が接触感染することでできる乳頭腫です。

症状の現れ方

 尋常性疣贅は、手指、足底などにいぼ状の丘疹または結節が発生し、小児期に多く現れます。

 青年性扁平疣贅では、思春期以降に顔面などに表面からやや隆起した褐色の小丘疹が多発します。

 尖圭コンジローマは、性行為感染症として主に成人にみられ、陰部粘膜に浮腫状の白色乳頭腫を形成します(図60図60 尖圭コンジローマ)。

検査と診断

 診断は臨床症状からつくことが多いのですが、皮膚の生検を行って組織学的に乳頭状の表皮の増殖や封入体(HPVの感染に伴ってみられる細胞の中の特徴的な構造)の存在を確認することもあります。ウイルスの型の判別には、ウイルスのDNAについて分子生物学的検査を行います。

 陰部に発生するHPVによる皮膚病変は、外陰がん子宮頸がんの発生と関連する型のウイルスによるものも存在するため、その区別が必要です。

治療の方法

 尋常性疣贅・尖圭コンジローマについては、皮膚の良性腫瘍と考えて、液体窒素による凍結療法や手術が行われます。

 青年性扁平疣贅に対しては、ハトムギエキスの内服や接触過敏症を利用した局所免疫療法などにより、ウイルスに対する免疫力を高めて炎症反応を誘導する治療が行われます。

病気に気づいたらどうする

 生命的な予後はよいのですが、次第に増えたり広がったりすることも多く、ほかの人への伝搬の危険性もあるので、すみやかに医療機関を受診してください。

尋常性疣贅・青年性扁平疣贅・尖圭コンジローマと関連する症状・病気

(執筆者:久留米大学医学部皮膚科学准教授/久留米大学医学部皮膚科学准教授 安元 慎一郎)

疣贅に関連する可能性がある薬

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久留米大学医学部皮膚科学准教授/久留米大学医学部皮膚科学准教授 安元慎一郎

 ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は、現在でも実験室における培養が不可能なため、それぞれのHPVについてDNAの相同性を調べることによって型が判別されます。現在のところ100種類以上のHPVが確認されています。

 ウイルスの型とそのHPVが起こす病変には、比較的高い相関があるものの、日常の診療で通常に検出されるHPVは少数の代表的なものである場合が多く、病変の部位や性質から大きく皮膚型、粘膜型、悪性型の3つに分けます。

 皮膚型は尋常性疣贅に代表されるような皮膚のいぼをつくるウイルスで、2型、4型などが入り、粘膜型には尖圭コンジローマの原因ウイルスである6型、11型など、悪性型には子宮頸がんなどの悪性腫瘍発生に関連する16型、18型などが分類されます。

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