尋常性白斑
じんじょうせいはくはん
尋常性白斑とは?
どんな病気か
後天的に皮膚の色が部分的に抜けて白くなる病気で、比較的よくみられます。尋常性とは「普通の、ありふれた」という意味です。
原因は何か
皮膚の最外層にある表皮のなかに存在する、メラニン色素をつくる細胞(色素細胞)が消失するために、皮膚の色が抜けて白くなります。
色素細胞が消失する原因は明らかにされていませんが、色素細胞に対する自己抗体ができて色素細胞を攻撃するために消失するという説、神経の異常が原因であるという説、皮膚での活性酸素を除去する機能が低下して色素細胞が壊れるという説などがあります。
症状の現れ方
生後数年から数十年後に、皮膚の色が部分的に抜けて白くなります。白くなる部分は大小さまざまで、拡大したり、あるいは別の皮膚の部分でも色が抜けることがあります。頭部では、白斑になった部分に白髪ができることもあります。
体の左右どちらか片側にのみ症状が出るタイプ(分節型)、体の両側に出るタイプ(汎発型)、皮膚の一部分だけに出るタイプ(限局型)があります。
検査と診断
診断のための特別な検査は必要ありません。汎発型では、甲状腺の検査を行うと病気が見つかる場合もありますが、その頻度は1割以下です。
治療の方法
ステロイド薬、ビタミンD3、タクロリムスの外用療法や紫外線療法があります。紫外線療法のなかでも、UVB(中波長)のごく狭い周波数の紫外線だけを照射するナローバンドUVB療法が、よい効果を示すことがわかってきました。
体の片側にのみ症状が出るタイプでは、表皮の移植手術が効果的です。また、セルフタニング剤を皮膚に塗ると3~4日間は皮膚を着色することができます。
病気に気づいたらどうする
皮膚科の医師に相談してください。根気よく治療をすることが大切です。
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コラム紫外線と皮膚
紫外線は、皮膚でのビタミンDの活性化を促す作用があり、体に必要な光線ですが、最近になって紫外線にあたると皮膚の抗菌物質が増えることがわかりました。一方で日焼けを起こしたり、その後の色素沈着を起こす作用もあります。
日光にあたったのち皮膚の色が黒くなるのは、表皮内でメラニン色素をつくる色素細胞が増加・活性化し、メラニン色素が増えるからです。
メラニン色素には紫外線を吸収し皮膚の障害を抑える効果があり、紫外線による皮膚の色素沈着は生体の防御反応と考えることができます。
紫外線にはDNAの障害を起こす作用があり、この作用のために長期的な効果として皮膚の発がん作用があることがわかっています。しかし、紫外線に曝露したら必ず皮膚がんになるということではなく、そのリスクが増えるということで、個人差もあります。
また、紫外線には皮膚の老化を促進する作用(光老化)や、しわを増やす作用があります。
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