出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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白皮症(白子)
はくひしょう(しらこ)

もしかして... 日焼け  皮膚がん

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白皮症(白子)とは?

どんな病気か

 先天性の色素脱失症です。生まれつき皮膚、毛髪などの色素がないため白くなります。

 遺伝疾患で、チロシナーゼなどのメラニン色素をつくる遺伝子に異常があることが原因ですが、遺伝子の異常については数種類のタイプがあります。チロシナーゼの活性がまったくないためにメラニン色素ができないタイプと、チロシナーゼの活性があって少しはメラニン色素ができるタイプがあります。

症状の現れ方

 出生時より毛髪が白く、また皮膚は白色調となります。眼は薄い青色調となり、網膜血管の赤い色がすけて赤く見えます。色素がないため、光に対して大変まぶしがります。また、視力の低下も現れます。チロシナーゼ活性のあるタイプでは、毛は黄色調となる場合もあります。

 紫外線に弱く、すぐに日焼けをして赤くなりますが、黒くはなりません。中年以後に、日光のあたる部位に皮膚がんが発生することがあります。特殊なタイプとしては、出血しやすいような症状を伴ったり、感染症を繰り返すタイプもあります。

検査と診断

 チロシナーゼ活性があるかどうかについては、毛髪を用いて検査ができます。詳しい病気の分類についての遺伝子検査がなされる場合もありますが、治療に役立つものではありません。

治療の方法

 根本的な治療法は現在のところありません。帽子や衣服、サンスクリーンを用いて遮光をしっかりとすること、眼は色付きのコンタクトレンズやサングラスで保護することなどが必要です。

病気に気づいたらどうする

 まず日光浴をしないことです。外出時は眼を保護するためにサングラスや帽子を必ず着用し、衣服は長袖、長ズボンを着るようにするのがよいでしょう。

 皮膚科と眼科を受診してください。

(執筆者:西神戸医療センター皮膚科部長 堀川 達弥)

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