出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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鞭虫症
べんちゅうしょう

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もしかして... 脱肛

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鞭虫症とは?

どんな感染症か

 鞭虫は長さが4cmほどで、主に盲腸に寄生しています。頭のほうが細くなっていて鞭のように見えるのでこの名がついています。国内では数が減っていますが、大腸内視鏡検査で偶然発見されることがあります。

 成熟した虫卵を飲み込むと感染しますが、便のなかに排出された虫卵が感染可能になるまでに外界で2~4週を要するため、普通はヒトからヒトへの直接の伝染はありません。寿命は1~3年といわれています。

症状の現れ方

 卵を飲み込んでから約3カ月で成熟します。20匹以下の少数寄生では自覚症状はありませんが、200匹を超えるような場合は下痢・腹痛、粘血便などが現れ、とくに夜中に便意を催すことが特徴的です。

 重い鞭虫症では、直腸が肛門から脱出してしまう、いわゆる脱肛になることもあります。

検査と診断

 便のなかに虫卵を見つけることが確定診断になります。大腸内視鏡検査で偶然見つけた時などでは、虫の形態から診断します。

治療の方法

 駆虫薬(メベンダゾール)の内服で治ります。ただし、この薬は胎児に影響するので、妊婦や妊娠の可能性のある女性には使えません。

病気に気づいたらどうする

 軽い感染なら症状はありませんが、前述した症状があったら放置せず、内科を受診してください。

(執筆者:宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野教授 丸山 治彦)

鞭虫症に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、鞭虫症に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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