出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
22q11・2欠失症候群
22q11・2けっしつしょうこうぐん
- 小児科
- 診療に適した科
22q11・2欠失症候群とは?
どんな病気か
22q11・2欠失症候群は、特徴のある顔つき(眼間解離、眼裂狭小、はれぼったい眼、小さい鼻、扁平な鼻根部、小さい口、低い位置の耳介など)、口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全、胸腺低・無形成、先天性心疾患(ファロー四徴症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、総動脈幹症、大動脈離断症など)、低カルシウム血症などの症状を特徴とする疾患です。口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全に伴う鼻声を認め、胸腺の低・無形成に伴う免疫不全のため、上気道感染症や中耳炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器系の感染症を繰り返すことがあります。
これらの特徴的な症状以外に、精神運動発達遅滞、言語発達遅滞、精神障害(統合失調症やうつ病など)、難聴、鎖肛、鼠径ヘルニア、腎尿路奇形、低身長、血小板減少、自己免疫疾患など、さまざまな症状を認めます。
原因は何か
22番染色体長腕の一部(22q11・2部位)が欠失することが原因で発症し、その頻度は、約4000~5000人に1人といわれています。常染色体優性遺伝性疾患ですが、多くの場合突然変異で起こります。約10%で両親のいずれかが同じ欠失をもっています。しかし、親子、兄弟姉妹で同じ欠失をもっていても、症状が大きく異なる場合がしばしばあります。
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