出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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結節性硬化症
けっせつせいこうかしょう

結節性硬化症とは?

どんな病気か

 出生前(心臓腫瘍)から思春期以降(腎腫瘍など)に至るまで、症状は広く分布しています。てんかん(80%)、点頭てんかん知的障害(50%)、心臓横紋筋腫(90%)、腎血管筋脂肪腫(60%)、星膠細胞腫、網膜腫瘍、顔面血管線維腫(90%)、爪下線維腫(50%)がみられます。また、白斑(90%)、腎嚢胞(20%)、高血圧肺リンパ脈管筋腫症(女性の30%)もみられます。

 日本人では6000~7000人に1人に起こる病気ですが、同一家系内でも症状に大きな差があります。家系内に同じ病気の人がいなくても、60~70%は突然発病します。

原因は何か

 TSC1またはTSC2の遺伝子変異で、TSC1変異のほうが軽症になります。常染色体優性遺伝形式で伝わります。

検査と診断

 早期診断し、治療の方針を医師と相談することをすすめます。

治療と管理方針

 遺伝子変異が見つかった人、あるいは家系内でリスクが高いと考えられる人については、心臓腫瘍(心臓エコー)、脳内結節、腎腫瘍(腹部エコー)の検出と患者さんに対する経過観察が行われます。成人女性に対しては、肺リンパ脈管筋腫症(LAM)の検出目的で呼吸機能検査と胸部CTが行われます。予防的手術はありません。

(執筆者:京都大学大学院医学研究科医療倫理学教授 小杉 眞司)

結節性硬化症に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、結節性硬化症に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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