凍傷
とうしょう
もしかして... 熱傷
凍傷とは?
どんな外傷か
高温の場合でなくても、低温でも組織の傷害は起こります。極端な寒冷による皮膚や皮下組織の傷害を凍傷と呼びますが、凍傷も熱傷に似た皮膚の物理化学的傷害であるといえます。
通常、凍傷は寒冷地などで長時間低温にさらされることにより組織が凍結し、さらに解凍することにより組織の傷害が起こります。このような場合には、皮膚ばかりでなく皮下組織や血管などの深部組織にも傷害が及ぶのが普通です。凍傷は体のどの部位にも生じますが、とくに手、足、鼻、耳が傷害を受けやすい部位です。
症状の現れ方
組織が冷気にさらされると、まず血管が収縮します。皮膚の温度が25℃にまで下がると、組織の活動に必要な酸素が不足するため、チアノーゼ(暗紫色)状態になります。皮膚の温度が15℃にまで下がると、逆にピンク色になります。
このころより組織の傷害が始まり、皮膚の温度がマイナス4℃になると凍傷が起こります。これは組織の水分が氷結し、シャーベット状になった状態といえます。
自覚症状は、ピンか針で突つかれたような感覚から始まり、その後しびれを感じるようになり、さらに進むと白色で冷たく硬くなり、感覚がなくなります。この状態で傷害部を温めると、水疱やはれが起こり、傷害部は赤色、青色、黒色に変色し、焼けるような痛みを感じるようになります。
傷害が皮膚とその皮下組織にとどまっていれば、完全に元の状態に回復することができます。しかし、血管が傷害を受けてしまうと傷害は不可逆的なものになり、壊疽を生じて患部を切断しなければならないこともあります。
応急処置はどうするか
傷害部をぬるま湯(決して熱くないように)に浸して、15~30分ほど温め、温かいお湯を注ぎ足してお湯の温度を保つようにします。耳、鼻、頬などは温かい布であてがうようにします。また、傷害部をこすったり、動かして温めるようなことは行わないようにします。
温めているうちに、焼けるような痛みとはれや変色が始まるので、皮膚が軟らかくなり血色がもどったら、温める必要はありません。
凍傷の場合には、通常は全身も冷えて低体温の状態になっています。低体温かどうかを必ず確認して、まず寒気を避けて暖かい場所に移し、貴金属類や濡れた衣類はすべて取り除き、全身を温めるなどの処置が必要になります。
凍傷に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、凍傷に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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サトウザルベ軟膏10% ジェネリック
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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ズファジラン錠10mg
血管拡張剤
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亜鉛華軟膏「ホエイ」
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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コタロー当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス細粒
その他
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ニコチン酸アミド散10%「ゾンネ」
ビタミンB剤(ビタミンB1剤を除く。)
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ヘプロニカート錠100mg「CH」
血管拡張剤
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ボチシート20% ジェネリック
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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カンフル精(東洋製薬)
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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