ドセタキセル点滴静注液20mg/1mL「NK」の基本情報

作用と効果

細胞分裂に必要な微小管（チューブリン）の働きを阻害してがん細胞の増殖を抑えます。
通常、乳がん、非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がん、前立腺がんの治療に用いられます。他の抗がん剤と組み合わせて使用されることがあります。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。骨髄抑制、感染症にかかっている、発熱がある。間質性肺炎または肺線維症がある、浮腫がある、アルコールに過敏である、腎臓障害、肝臓障害がある。

妊娠、妊娠している可能性がある、授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

乳がん、非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がん：通常、1日1回静脈内に点滴で注射し3～4週間間隔で繰り返します。

前立腺がん：通常、1日1回静脈内に点滴で注射し3週間間隔で繰り返します。

効果を見ながら使用期間を決めています。具体的な使用期間については、医師にお聞きください。

副作用

主な副作用として、食欲不振、脱毛、全身倦怠感、吐き気・嘔吐、下痢、口内炎、アレルギー、発赤、皮疹、しびれ感、発熱、浮腫などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、すぐに医師の診療を受けてください。

・貧血症状、発熱、出血傾向を認める [骨髄抑制]

・顔面蒼白、冷汗、呼吸困難 [ショック症状、アナフィラキシー]

・皮膚や結膜などの黄染（黄色くなる）、全身倦怠感、食欲不振 [黄疸、肝不全、肝機能障害]

・尿量減少、むくみ、全身倦怠感 [急性腎障害]

・発熱、から咳、呼吸困難 [間質性肺炎、肺線維症]

・息切れ、咳、全身のむくみ [心不全]

・階段や坂を上る時の動悸や息切れ、めまい、耳鳴り [播種性血管内凝固症候群]

・激しい腹痛、吐血、下血、下痢 [腸管穿孔、胃腸出血、虚血性大腸炎、大腸炎]

・排便の停止、腹痛、腹部膨満感、食欲不振 [イレウス]

・息が苦しい、咳・痰がでる、呼吸がはやくなる [急性呼吸促迫症候群]

・急に胃のあたりがひどく痛む、吐き気・おう吐がみられる、お腹の痛みはのけぞると強くなり、かがむと弱くなる [急性膵炎]

・発熱、目の充血（じゅうけつ）、関節の痛み [皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑]

・呼吸困難、吐き気、むくみ [心タンポナーデ、肺水腫、浮腫・体液貯留]

・急激な前胸部の圧迫感、狭心痛、冷汗、局所の痛み、圧痛、紅斑 [心筋梗塞、静脈血栓塞栓症]

・かぜのような症状、からだがだるい、発熱、嘔吐 [感染症]

・全身倦怠感、頻尿、のどの渇き [抗利尿ホルモン不適合分泌症候群]

・口のなかの痛み、出血、熱いものや冷たいものがしみる [重篤な口内炎などの粘膜炎]

・発疹、足や腕に紫色または赤いあざができる、全身がだるい [血管炎]

・四肢のしびれ、痛み、感覚鈍麻、運動障害、脱力、麻痺 [末梢神経障害、四肢の脱力感などの末梢性運動障害]

・以前に放射線治療を受けた部位の皮膚に再び皮膚の炎症が起こる [Radiation Recall現象]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。