様々な高度技術を用いて膝の痛みを早期に対処

[近畿] 2013年6月28日 [金]

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京都大学医学部付属病院 教授・松田秀一先生

京都大学医学部付属病院
教授・松田秀一先生

九州大学医学部卒業。米国バイオメカニカルリサーチ研究所、九州大学准教授などを経て12年より現職。日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医。米国Knee society会員。

高い耐久性を持つオリジナルの人工膝関節置換術を行う

 膝関節の疾患を専門に診療・研究を行っている松田先生。日本で初めて人工膝関節の手術にコンピュータナビゲーションシステムを導入し、その設置誤差を減少させた実績を持っています。
 「もっとも多い疾患は、変形性膝関節症です。ほとんどの方が手術適応について当院を受診されますが、必ずしも手術が必要なわけではなく、注射や装具、リハビリ、薬の服用などを組み合わせて治療を行い、それでも改善が見込めない場合にのみ手術を適応しています」
 こちらでは人工膝関節置換術の場合、オリジナルの人工膝関節を開発しています。手術後10年で90%以上の患者さんが、入れ替えなどの手術を行うことなく、痛みのない生活を送っていると言います。

変形性膝関節症患者さんの多くは、他部位にも異常が

 「手術前に膝関節がよく曲がっていた人ではありますが、人工膝関節手術後に正座ができるようになった患者さんもいらっしゃいます。これには、手術自体の技術だけでなく、膝以外の腰、股関節など体のすべてをチェックし、丁寧なリハビリテーションを行なって行くことが重要と考えています。当院では、人工関節手術を行ったのにも関わらず、症状が改善されない人のためにも入れ替え手術なども行っています」
 「膝に疾患を抱えている人の多くが腰や股関節にもなんらかの異常があります。人工膝関節置換手術を行っても痛みが続く場合は、膝以外に原因があることもあります。よって手術を選択する診断が極めて大事ということです」

1週間痛みが続くようならまず受診を

 先生は、膝の痛みはもちろんのこと、膝に違和感があった場合は早めに受診するなどして、その症状を取ることが大事だと言います。
 「1週間程度痛みが続くようであれば、まず受診をお勧めします。病院で正確な診断をし、様々な手段を用いれば、痛みは早期のほうがより改善が見込めます。その上で大切なのは、ご自身でも筋力を落とさないようにすることと、急激に太るなどして膝への負担を大きくしないことを心がけること。ご自身でも日常生活に注意をするだけで、痛みの再発を防ぐことができるのです」

京都大学医学部附属病院

京都大学医学部附属病院
公式サイト:http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/index.html

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