変形性膝関節症を正しく知ることから始めよう~「膝の痛み」は早期受診が重要~

[ニュース・トピックス] 2014年3月14日 [金]

facebook
twitter
google
B

中高年の膝の痛みのほとんどは、変形性膝関節症のシグナル

(この画像はイメージです)

 生化学工業株式会社は、膝の痛みについての正しい情報を発信していくことを目的に、“ニーニーニー(Knee Knee Knee=ひざ ひざ ひざ)”にちなんで、2月22日を“ひざイキイキの日”に制定しています。このひざイキイキの日を前に、変形性膝関節症を正しく知ってもらうための啓発セミナーが開かれ、関節疾患のスペシャリストである森田充浩先生(藤田保健衛生大学医学部 整形外科学科 准教授)による講演が行われました。講演では、変形性膝関節症の早期治療開始の重要性と、この病気の具体的な症状・病態・治療法などについて、わかりやすく解説がされました。
 中高年で膝に痛みや違和感を抱えている人は多く、その原因のほとんどが変形性膝関節症だといわれています。この変形性膝関節症は、放置すると軟骨が徐々にすり減ってしまい、もっと進行すると骨が変形して元に戻らなくなってしまう病気です。病状が悪化すれば要介護・要支援を招くリスクが高い病気なだけに、早期の治療開始で進行を抑えることがとても重要です。しかし、膝に痛みを抱えている多くの人が、「年のせい」「病院に行くほどでもない」と、痛みを我慢してしまっているといいます。

早期の治療開始で要介護状態や手術を回避しよう

 変形性膝関節症の主な要因には、肥満や筋力低下・年齢などがありますが、とくに中高年以降の女性に多くみられるという特徴があり、60代女性の約40%、70代女性の約70%がこの病気にかかっているといわれています。また、症状がゆっくりと進行するため、かなり悪化してからでないと自分で気付くことが難しい病気でもあります。
 しかし、膝関節の軟骨は一度すり減ってしまうと修復が非常に困難なため、変形性膝関節症による膝の痛みは自然に無くなるということがありません。そのため、治療を早く開始すればするほど、痛みや腫れなどのつらい症状を軽減し、進行を最小限に抑えることができます。現在の治療には、効果的な薬物療法や運動療法・生活改善の指導などといった様々なアプローチがあり、これらを組み合わせて早期から治療に取り組めば、患者さんのQOL(quality of life:生活の質)が向上するだけでなく、症状の悪化による手術や要介護といった状態の回避にもつながります。
 講演を行った森田先生は「痛みを感じていなくても、レントゲンで撮影してみると実は膝関節に問題を抱えているという方が多くいらっしゃいます。肥満の方や高齢の方、そしてとくに女性の方で少しでも膝に違和感があるという方は、早めに医療機関を受診して下さい」と語り、膝の違和感を放置せず、気付いた時にすぐ受診する必要性を訴えました。
 膝の痛みを長年我慢していたために、受診した時には既に手術しか治療法がなく、要介護の状態にまで悪化してしまっていたというケースもあります。「転ばぬ先の杖」という言葉もあるように、後々に後悔しないためにも、膝の痛みが気になる方は早めに医療機関を受診して下さいね。(そねゆうこ)

記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

「痛み」の注目記事