痛みの治療 電話サポートで効果アップ?

[ニュース・トピックス] 2014年10月14日 [火]

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電話サポートグループと通常の治療グループを比較

(この画像はイメージです)

 先日、ロコモティブシンドローム(=ロコモ)の予防のための電話サポートを行う「ロコモコールプログラム」が「ロコモ チャレンジ!推進協議会」によって発表されました。このプログラムはロコモ予防のためのものですが、なんと電話などによる遠隔サポートで、痛みの“治療”効果が高まるという研究結果がアメリカのローデブッシュVAメディカルセンターのカート・クロエンケ氏らによって発表されました。
 この調査の対象となったのは、3か月以上にわたり筋肉や骨、関節に中等度以上の慢性的な痛みを抱える患者さんたち250人。彼らを2つのグループに分け、片方のグループには電話の自動音声かインターネットを使った定期的なモニタリングや、治療を最適化するためサポートを行い(電話グループ)、もう片方のグループには通常の治療のみを行いました(通常グループ)。

電話グループではおよそ2倍の効果が

 12か月後、痛みのひどさを表すスコアは、電話グループが3.57だったのに対して、通常グループでは4.59と1.02の差が現れました。このスコアは数字が大きいほど痛みが強いということで、1ポイントの差があれば、臨床的に大きな違いとされています。また、電話グループでは、痛みのスコアが30%以上改善した人の数は通常グループのおよそ2倍(51.7%対27.1%)、6か月以内に痛みが悪化した患者さんの割合は通常グループのおよそ半分と、全体的に治療の効果が高まっていることがわかりました。
 国内では医療格差が広がり、とくに地方では専門性の高い治療を受けるのが難しい地域もあります。他の病気でも、今回のような遠隔治療の効果が証明されれば、地方にいても質の高いケアを受けられるようになるかもしれませんね。(QLife痛み編集部)

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