膝の痛み治療の“最終手段”人工関節置換術をご存知ですか

[ニュース・トピックス] 2014年10月24日 [金]

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10年でおよそ2倍に増えた膝の人工関節置換術

(画像はプレスセミナーより)

 高齢化と共に増加している変形性膝関節症。その名の通り、加齢と共に軟骨がすり減るなどして膝が変形し、ひどい痛みが現れたり、それにより歩けなくなったりする病気です。治療は、リハビリ、装具療法、薬物療法といった保存療法が主ですが、痛みが改善されない場合には、「人工関節置換術」などの手術療法が必要になることもあります。
 日本では欧米と比べると「体に傷をつけるのは良くない!」という昔からの倫理観のためか、人工関節置換術を受ける方の数はそれほど多くありませんでした。しかし、近年、手術を受ける方の数は増えているといいます。バイオメット・ジャパン合同会社が開催したプレスセミナーで講演した、阪和第二泉北病院 阪和人工関節センター長の格谷義徳先生は、「日本で行われる膝関節の手術件数は、平成5年度から15年度の間におよそ2倍に増え、年間8万件以上行われるようになりました」と語ります。

人工関節置換術は最終手段

 手術件数の増加の一因として、人工膝関節の進化が上げられます。日本には欧米と違う独特の生活習慣「正座」があり、正座はこれまでの人工膝関節にとって“鬼門”とも言える姿勢でした。しかし、近年では日本人のライフスタイルに合った人工膝関節も開発されており、以前と比べ、痛みや脱臼、破損のリスクが低いものも登場しています。
 人工関節置換術を考える患者さんに対するメッセージとして、格谷先生は、「人工関節置換術は優れた治療法ではありますが、あくまでも最終手段。いろいろな治療をしたにもかかわらず、症状が進行して、万策尽きたらたら人工関節があると考えましょう。膝だけが原因で歩けなくなる、という心配はありません」と語り、人工関節置換術に対する考え方を示しました。(QLife痛み編集部)

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