慢性疼痛患者の3人に2人が医療機関を受診していないことが明らかに

[ニュース・トピックス] 2013年8月26日 [月]

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患者全体の3人に1人が“痛みが緩和していない”にも関わらず通院していない

(この画像はイメージです)

 慢性疼痛の患者のうち、実に約3人に2人が「現在、病院に通院していない」と回答していることがわかりました。これはファイザー株式会社が、慢性的な痛みによる通院経験がある全国の20才以上の男女5150人に対し、インターネットで行った調査によるものです。
 調査対象となった5150人に、現在の通院状況を尋ねました。その結果、「現在、通院している」と回答したのは36.7%で、残りの63.3%は、現在通院していないことがわかりました。また、通院していない3258人に対して、その理由にあてはまるものを選んでもらったところ、「痛みが緩和したため通院していない」に51.6%の人が「あてはまる」と回答。「あてはまらない」と答えた残り48.4%の人は、痛みが緩和していないにも関わらず、治療を中断していることがわかりました。

痛みはできるだけ早めに治療することが重要

 この結果について日本大学総合科学研究所の小川節郎教授は、
 「今回実施された調査の結果、通院経験のある慢性疼痛を抱える人の6割以上が『現在、病院に通院していない』ことが明らかになりました。更に現在病院に通院していない人の内、約半数は痛みが緩和していないにも関わらず、治療を中断していることがわかりました。痛みは生体の警告信号として大変に重要な感覚ですが、慢性化した痛みは患者さんのQOLを大きく低下させる要因のひとつであり、痛み自体が病気と考えられます。また痛みを我慢し長引かせることは、身体だけでなく精神的にも大きな影響を与えてしまいますので、痛みはできるだけ早めに治療することが重要です。近年、痛みのメカニズムの解明や新しい治療薬の登場など、痛みを取り巻く環境は大きく変化してきています。一度治療を中断された人も、改めて医療機関に相談するとよいでしょう」とコメント。早期受診の必要性を訴えています。(QLife痛み編集部)

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