アメリカでは、膝の痛み止めにOTC医薬品を使用する人が多い?
[ニュース・トピックス] 2013年9月27日 [金]
痛み止めやサプリの使用頻度が高かった人は約7割

現在、慢性の痛みには、多くの医師が複数の痛み止めを使い分けたり、組み合わせたりする方法をとっています。そこで、痛み止めが実際にどのように使われているかを把握するため、変形性膝関節症の患者さんに対してアメリカで調査が行われました。
対象は987人。男女比はおよそ4:6、平均年齢は61歳で、7割が白人でした。調査では、調査開始時、12か月後、24か月後、36か月後時点での痛みへの対処について分析しました。
調査開始時に、痛み止めやサプリの使用頻度が高かった人は68.2%。男性と女性を比べると、女性の方が痛み止めを使うことが多く、肥満女性ではこの割合がより高くなりました。また、75歳以上の高齢者や、他の病気をあわせて持っている人たちでも、痛み止めを使う頻度が高くなっていました。
痛み止めを変更することは多いけれど、2種類以上をあわせて飲むことは少ない
最も多く使われていたのは、OTC医薬品の非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)でした。このうち、複数の薬を組み合わせている人は11.9%で、多くの人が一種類の痛み止めを使っていることがわかりました。
36か月後まで追跡調査を行うと、調査開始時で痛み止めを使っていた人は36か月後(3年後)も痛み止めを使っており、長期間にわたって痛みと付き合っていることがわかりました。また、市販の痛み止めを使う人の割合はほとんど変わりませんでしたが、多くが、痛み止めの種類を変えていました。
こうした結果から、複数の痛み止めを使い分けることは多くの人が行っているものの、複数の痛み止めを組み合わせて使う人は少ないという現状が浮かんできました。さらに調査では、高齢者がOTC医薬品のNSAIDsを長期間服用することについて、懸念も述べています。
膝の痛みは、長い付き合いになることも多いようです。なるべく専門の医師に相談して、適切な薬の処方を受けたいものですね。(唐土ミツル)