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[イベント調査隊が行く] 2012/12/05[水]

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 小児のアレルギーと聞くと、アトピー性皮膚炎や喘息のイメージが強いですが、実は食物アレルギーの患者さんも多くいることはご存じでしたでしょうか。特に乳幼児期の食物アレルギーの有病率は5~10%とアトピー性皮膚炎に次いで2番目の多さです。食物アレルギーは日々の生活への影響が大きく、周囲の理解や協力が必要不可欠な疾患です。食物アレルギーへの認知や理解が広がってきている一方で、原因となる食物の摂取によってアナフィラキシーという重篤なアレルギー反応を起こす場合があること、そしてその対処法についてはまだまだ知られていません。そこで今回は、ファイザー株式会社のセミナーに参加し、海老澤元宏先生(相模原病院臨床研究センターアレルギー疾患研究部部長)のお話を伺ってきました。

食物アレルギーの原因と治療

 食物アレルギーとは、特定の食物を摂取した後に、アレルゲンに対する過剰反応が起こり、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じるアレルギー反応のことです。
 「小児の食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎と合わせて見つかる場合が多いです。アトピー性皮膚炎への対処と治療はよく行われていますが、食物アレルギーに対する対処が適切に行われているケースは少ないです。」と海老澤先生。
 多くの食物アレルギーの場合、アレルゲンは小腸経由で吸収され、30分~2時間程度で症状が出ます。原因になる食物は鶏卵が最も多く、その他に乳製品、小麦粉、果物、そばなどがありますが、患者さんによって異なります。症状が発生し医療機関を受診した患者さんの割合を調査したデータでは、皮膚症状が88.6%と最も多いですが、ショック症状で来院されるケースも10.9%と決して少ないとは言えません。
 治療は食物負荷試験に基づいた必要最小限の原因食物の除去をメインに行い、薬物療法はあくまでも補助的な役割になります。制限の程度は患者さんごとに個別対応をし、症状が出ない食物については、過度に制限する必要はないそうです。「食物負荷試験には時間がかかり、対応できる施設・専門医が少ないのが現状です。また、ガイドラインを用意しているものの、外来などでの栄養指導が行き届いていないことが課題です。必要以上に食物の除去を行うことは、子どもの成長にも影響しかねないからです。」と海老澤先生。日常生活において、特に困るのは保育所や学校生活での場面です。“他の子どもたちと同じものを食べさせてあげたい”という観点から、複雑な対応をしてしまっているケースも多いとのこと。「保育所や学校での食事は、誤食事故を防ぐためにも、医師の診断が付いた管理表に基づきシンプルな原因食物の除去を行う必要があります。」

食物アレルギーでも起こる、アナフィラキシー

 アナフィラキシーとは、食物や薬物やハチ毒が原因で起こる即時型アレルギー反応の一つです。皮膚、消化器、呼吸器、循環器、神経などに症状が現れ、腫れによる気道の閉塞や急激な血圧低下により死に至ることもあります。スズメバチなどに刺された際に起こるイメージが強いですが、実はアナフィラキシー反応を引き起こす原因で最も多いのが食物によるものです。
 しかし、ファイザー株式会社が食物アレルギーをもつ子どもの母親を対象に行った調査では、87.6%が「アナフィラキシーショックを起こす可能性が高い」とは思っていないこと、71.4%が「アナフィラキシーを起こした際の補助治療剤であるアドレナリン自己注射を知らない」という結果がでており、食物アレルギーがある子どもの母親でもアナフィラキシー反応へのリスク認識が低いことが明らかになりました。
 アナフィラキシー反応を起こした場合には、適切なタイミングにアドレナリン注射などの適切な処置が必要になります。海老澤先生、「アナフィラキシー反応を緩和するための補助治療薬であるアドレナリン自己注射を所持し、緊急時に備えることが有用な防衛策と考えています。このアドレナリン自己注射は、日本では2011年に保険適用となり、今までに比べて保有しやすくなりましたが、調査結果の通りまだまだ浸透していません。」こうした、食物アレルギーでもアナフィラキシーが起こることや、アナフィラキシー反応が出た場合の対処法の認知度の低さは、専門の病院にかかっていない患者さんが多いことが理由の一つと考えられます。海老澤先生は「今後は、こうした専門の病院にかかっていない患者さんへ啓発をしていく必要があります。」と語りました。

 食物アレルギーをもつ子どものQOL(生活の質)の改善には、周囲の理解や協力が不可欠です。また、重篤なアレルギー反応を起こした場合の対処法についても、家族や周囲の人が理解しておくことも重要ではないでしょうか。

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