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[イベント調査隊が行く] 2013/07/17[水]

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 現在、糖尿病の国内患者数は890万人、予備軍を含めると2,200万人にもなると推定されています。今後さらに患者数が増加することが懸念される慢性疾患の一つである糖尿病は、継続的な治療が必要です。それゆえ、患者さん個人の経済的負担はもちろん、社会全体の医療費負担という観点でも、対策が必要不可欠であると言えます。こうした糖尿病をとりまく現状をテーマに、弘世貴久先生(東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野教授)の講演と、自身も糖尿病患者である経済評論家の森永卓郎氏とのトークセッションが開催されました。(主催:日本イーライリリー株式会社)
※厚生労働省2007年国民健康・栄養調査

糖尿病治療の現状と問題点

 糖尿病とは血液中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎている状態が続く病気です。食べ物は摂取すると分解されブドウ糖となり血液を通じて全身の筋肉や臓器に運ばれますが、血液中のブドウ糖を体内に吸収する際に働くホルモンがインスリンです。糖尿病は、このインスリンが適切に分泌されなくなったり、働きが悪くなったりすることで(インスリン抵抗性)、ブドウ糖が筋肉や臓器に吸収されずに血液中に残り、血液中のブドウ糖が多くなりすぎた状態を指します(高血糖)。糖尿病は大きく分けて、何かしらの原因でインスリンを合成する膵臓のβ細胞が破壊されてインスリンが欠乏するI型糖尿病と、遺伝的要因や生活習慣によってインスリンの分泌が低下したり、インスリン抵抗性をきたすII型糖尿病に分類されます。糖尿病患者の約90%をII型糖尿病が占めます。「予備軍も含めた糖尿病の患者数は年々増え続けています。増加も問題ですが、一番の問題点は糖尿病を強く疑われる人のうち約4割が未治療だということです。特に、若い人ほど受診していないことが分かっています。」と弘世先生。なぜ、糖尿病の治療が必要かというと糖尿病合併症を起こさないためです。高血糖の状態が続くと、全身の血管に障害が起こります。細い血管では失明の可能性がある網膜症や進行すると人工透析が必要となる腎症や感覚がなくなる神経障害といった合併症が、太い血管では脳卒中や心筋梗塞や壊疽といった合併症が起こります。「糖尿病がなぜ怖いかというと、合併症が出るまでは自覚症状がないため、健診などで血糖値が高いことや糖尿病の可能性を指摘されても『体調がいいから大丈夫』と過信しがちだからです。さらに、患者さんの自覚症状と医学的な危険度は一致しません。気づいてからでは遅いのです。」(弘世先生)
 さらに、適切な治療が早期に行われなければ、重症の合併症は減らないと弘世先生は指摘します。特に糖尿病の治療法の一つであるインスリン療法の導入タイミングです。糖尿病の治療は、食事・運動療法と経口薬やインスリン療法などの薬物療法を、血糖値のコントロール状況と合わせて段階的に行っていきます。「インスリン注射と聞くと、糖尿病治療の最終段階というイメージがあるかもしれませんが、それは誤解です。血糖値のコントロール状況に合わせてインスリンを服薬し、止めることも可能です。自身の膵臓からインスリンが分泌されなくなってから導入するのではなく、早めにインスリン療法を開始することで、良好に血糖値をコントロールし、合併症の進行リスクを減らせます。」と弘世先生。「また、治療費も合併症の進行とともに増額しますので、早期に適切な治療を行うことで患者さんの経済的負担は少なくなると考えられます。」と締めました。

トークセッション:インスリン療法と医療費に関する患者調査

 インスリン療法を行っている患者さん2,650名を対象に行われたアンケートを元に、弘世先生と森永卓郎氏のトークセッションが行われました。
 アンケートの結果では、約半数の患者さんは現在の治療には満足しているものの、不満点を聞いたところ約8割は「医療費が高い」ことを挙げました。医療費負担のために4割の患者さんが「趣味・娯楽費」や「食費・生活費」などを抑え、何かしらの我慢をしていることが分かりました。また、インスリン製剤も価格に違いがあり、同等の効果でより安価なインスリン製剤を主治医が推奨してきたら、9割以上の患者さんは切り替えを希望することがわかりました。
 アンケートの結果を受け、森永氏「治療費は一般のサラリーマン家庭では決して安くはない額です。かといって治療をやめてしまうと、後々合併症になりさらに治療費が増える・・・患者さん個人の負担もそうですが、社会全体の経済的負担が大きくなってしまうわけです。私は率直に『もっと安い治療法はありませんか?』と聞いてしまいましたが、選択肢があることを知らない人もいるでしょうし、中には知っていても医師に言えない人も多いのではないでしょうか。治療をうまく続けるには、主治医に正直であることです。食べ過ぎ飲みすぎた日があるのに医師に嘘をついても、検査すればばれてしまう。治療費にしてもそう、恥ずかしがらないで、正直に要望を伝えるべきです。」とコメントしました。弘世先生、「医療者として反省します。もっと医療者側から患者さんに働きかけて患者さんの要望を聞かないといけませんね。インスリン製剤にジェネリックはありませんが、製剤によって価格は異なります。治療効果が同等で、安いものがあれば変更したいと考えている患者さんは、是非主治医に相談してほしいです。」と締めました。

 糖尿病だけでなく、治療費に悩む患者さんは多いと思います。治療費が払えないからと言って、勝手に治療をやめてしまうことが一番よくありません。病気が進行してからでは、さらに医療費がかかることもあります。治療について困ったことや、要望や希望があれば、恥ずかしがらずにまず主治医に相談しましょう。

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