[イベント調査隊が行く] 2013/10/25[金]

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 『乾癬(かんせん)』という病気をご存知でしょうか?乾癬とは、皮膚表面が赤くなって盛り上がり、次第にその表面が銀白色の細かいカサブタで覆われ、やがてそれがフケのようにボロボロとはがれ落ちる慢性的な皮膚の病気です。日本の乾癬患者数は10~20万人と推定されています。乾癬には様々な種類がありますが、なかでも怖いのが、関節の痛みや腫れ・変形を伴う『関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)』です。10月29日の世界乾癬デーを前に、この関節症性乾癬の認知度を高めるべく、アッヴィ合同会社とエーザイ株式会社の共催によるメディアセミナー「関節破壊を招く皮膚疾患 見逃されている『関節症性乾癬』とは?」が行われました。セミナーでは、実際に関節症性乾癬を発症した患者さんも参加し、自身の体験を元に乾癬の早期発見・治療の重要性を訴えました。その模様をレポートします。

その関節の痛み・・・リウマチじゃなくて乾癬かも!?

 セミナーでは、まず東京逓信病院皮膚科部長である江藤隆史先生が、「見逃されている『関節症性乾癬』とは?」というテーマで講演を行いました。
 「日本ではまだまだ関節症性乾癬に関する認知度は低く、患者さん本人が気付いていない場合はもちろん、皮膚科医が関節症状の問診を行わない場合もあり、発見がどんどん遅れる傾向にあります。
 皮膚科に来る患者さんの多くは、関節の痛みを持っていても、それが皮膚の病気と関係しているとは知らない場合がほとんどで、自ら皮膚科医に関節症状の相談をすることはありません。そして皮膚科の医師も“関節症性乾癬は稀な疾患だ”との思い込みもあって、関節症状の問診を行わないケースが多いのです。
 また、患者さんが関節の痛みを訴えて整形外科を受診しても、その際に乾癬を患っていることを告げるケースは少なく、整形外科の医師も乾癬と関連づけての問診を行わないため、皮膚科でも整形外科でも充分に適した治療が行われず、症状が深刻化していく・・・という悪循環に陥ってしまうのです。
 診断が遅れ、関節破壊が進行すれば、変形・癒着した関節は二度と元に戻らなくなってしまいます。患者と医師、双方の認知を高めるとともに、早期治療の必要性も広く訴えることが重要です。」(江藤先生)

「まるで魔法のようだった」生物学的製剤による治療

 また、同セミナーでは患者代表として木戸さんが登場し、自身の体験を語りました。
 「10代後半で乾癬を発症してから数十年来、様々な症状に苦しんできました。病院を転々としても症状は悪化するばかりで、生きることに絶望的になっていた時に出会ったのが“生物学的製剤”の治療です。生物学的製剤を投与してからは、今までの苦労が嘘のようにみるみる回復していき、まるで魔法のようでした。“一日でいいから奇麗な皮膚に戻ってみたい”何十年とそう願いつづけていたことが叶うなんて、夢のようです。でも、皮膚は奇麗になり関節の痛みもなくなりましたが、私の関節は曲がったまま。もう元には戻りません。私のような人を増やさないためにも、多くの人に乾癬について知ってほしいと願っています。」(木戸さん)
 続いて、NPO法人東京乾癬の会P-PATの事務局長である添川さんが登壇し「乾癬に対する知識を深め、早い段階での適切な治療を行うことが大切です。各地で患者の集いも行っていますので、ぜひ参加して意見交換に役立ててください。」と呼びかけました。
 なかなか認知度が上がらず、見過ごされてきた関節症性乾癬。しかし新しい治療法が発見され研究も進んできている現在、乾癬という病気と治療に対する知見が広く知れ渡ることで、症状に苦しむ方が少しでも減ることを期待して止みません。

参考サイト

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