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[イベント調査隊が行く] 2014/04/23[水]

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 肺炎は肺が炎症を起こす病気ですが、原因や炎症が起こる場所によって色んな種類があることをご存じですか?原因は、ウイルスや細菌によるもの、喫煙や薬の副作用、他の病気を原因とするものも。また、肺のどの部分で起こるかによってタイプが違います。肺の約8割を占める小さな袋(肺胞)が炎症を起こすタイプと、肺胞を支え形作る壁の内側(間質)で起こるタイプがあります。この間質で起こる肺炎を「間質性肺炎」といいます。そのうち原因が不明なものを「特発性間質性肺炎」といい、治療が難しいことから日本では特定疾患に指定されています。
 「特発性肺線維症(IPF:Idiopathic Pulmonary Fibrosis)」は、特発性間質性肺炎の1つで国内での患者数は約1万数千人と推定される希少疾患です。いまだ治療法が確立しておらず、経過も思わしくない難病である一方、早期の段階では無症状の人が多いため、診断時には病状が進行してしまっているケースが多いといわれています。今回、特発性肺線維症とその治療法について、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社主催のセミナーに参加してきました。その模様をお伝えします。

肺胞の「間質」が固く・厚くなってしまう病気

自治医科大学 呼吸器内科 教授 杉山幸比古先生自治医科大学 呼吸器内科 教授
杉山幸比古先生

 特発性肺線維症は、何らかの原因により、間質という肺胞を形作る壁の内側が固く、厚くなる(線維化する)病気です。線維化が進んでしまうと肺全体が固くなってふくらみにくくなることから、呼吸不全や急性増悪(急に症状が悪化すること)で亡くなる方が多く、北海道で行われた研究によると診断確定後の平均生存期間が35か月と、その後の経過がとても悪い難病です。
 「特発性肺線維症の“特発性”とは“原因がわからない”という意味です。しかし原因がわからないなりにも研究は進んでおり、現在のところ煙草やウイルス、粉塵といった慢性的な刺激によって肺胞の上皮細胞が少しずつ傷つけられ、その結果、修復異常を起こして間質が線維化するのではないかと考えられています。また、高齢の方・男性・喫煙者に多くみられることや、原因に加齢や老化が関わっていること、喫煙が大きな発症リスクであることなどがわかっています」と、杉山幸比古先生(自治医科大学 呼吸器内科 教授)は話します。

息苦しさは年のせいと思い、受診が遅れてしまうケースが多数

 平常時はなんともないのに身体を動かしている時に起こる息切れ(労作性呼吸困難)や、空咳、指の先が丸くなり爪の付け根がもりあがる「ばち指」、肺の聴診をしたときに聞こえるチリチリとした「捻髪音」などがあった場合、特発性肺線維症の疑いがあると診断されます。この中でも初期にあらわれるのが、労作性呼吸困難と空咳です。
 「しかし、労作性呼吸困難や空咳があっても、年のせいと思って見過ごしてしまい、特発性肺線維症とわかったときには病気が進んでしまっているケースが多々あります。一度線維化してしまった肺は元に戻りません。また、線維化した肺は肺がんを発症しやすく、高い確率で肺がんを合併します。進行性で不可逆性の病気である特発性肺線維症は、早期に病気を発見して治療を開始することが非常に重要です。特発性肺線維症が疑われた場合はなるべく早く専門医を受診していただきたいと思います」と、杉山先生は早期の専門医受診を強く訴えました。

進行速度は個人差があり、予測が難しい病気

東邦大学 医学部医学科内科学講座 呼吸器内科分野 教授 本間栄先生東邦大学 医学部医学科内科学講座
呼吸器内科分野 教授 本間栄先生

 続いて本間栄先生(東邦大学 医学部医学科内科学講座 呼吸器内科分野 教授)から、特発性肺線維症の治療法についてお話をうかがいました。
 「特発性肺線維症は、特発性間質性肺炎のなかでも治療に対する反応性が悪く、他臓器のがんと比べても予後(その後の見通し)が悪い病気です。病気の進行はゆるやかだったり、急速に進行したり、急性増悪したりと個人差があるため、経過を予測することが困難です。しかし、病気がわかったときに肺の機能が落ちている患者さんは、その後症状が悪化する率が高く、診断確定時の肺の状態が予後に影響することがわかっています」(本間先生)。
 特発性肺線維症の治療ゴールは、生存期間の延長、呼吸機能の維持または低下の抑制、急性増悪の予防の3つ。治療は患者さんの病状に応じて、酸素療法・呼吸リハビリテーションなどの非薬物療法、薬物療法、そして症状が悪化した場合は患者さんの体力を考慮しながら肺移植も検討されます。進行がゆるやかなときは治療をせずに様子をみることもあります。
 「現在、ガイドラインなどで強く推奨されている薬物療法はありませんが、最近の研究において、薬物療法により肺活量の改善や無増悪生存期間の延長などが示されています。また、肺の線維化に関する研究も進んでいることから、抗酸化作用のある抗酸化薬や、線維化を抑制する抗線維薬が注目されています。そのほかにもさまざまな薬の開発が考えられています」と、本間先生は特発性肺線維症の治療について今後の展望を語り、話を締めくくりました。

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