[イベント調査隊が行く] 2009/09/07[月]

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 「ぜんそくや肺がんなど、女性の肺の病気に特化したセミナーがある」と聞いて、NPO法人女性呼吸器疾患研究機構の市民公開講座にお邪魔しました。同法人は、まだ2008年の6月に設立されたばかりで、宮元理事長によると「女性の呼吸器疾患にフォーカスして、啓発や研究支援活動を行う組織は、世界で初めて」とのことです。今日はその記念すべき第一回目の市民講座でした。

COPDは、患者数も死亡者数も女性に急増中

 聴講者は会員中心でアットホームな雰囲気。意外にも男性参加者も多く見られました。まず最初は、獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科教授、石井芳樹先生が登壇。COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙率が高い男性に多い疾患ですが、同じ喫煙者なら女性の方が発症しやすく、しかも男性より予後も悪い。喘息も女性ホルモンと関係が大きく、月経時に悪化する喘息やアスピリン喘息などは治療も男性とは違ったアプローチが必要とのことでした。

ほぼ女性限定の稀な難病、LAM

 次のお話は、順天堂大学医学部呼吸器内科先任准教授、瀬山邦明先生。妊娠可能な若い女性にしかほとんどみられない稀な難病の例として、LAM(リンパ脈管筋腫症)の紹介がありました。嚢胞(のうほう)という小さな風船のような空気のたまりが肺に多数発生して、それらが破裂して気胸(ききょう)になったりします。専門的な話だけでなく、肺の構造や、息切れを起こすメカニズムを、動画などで分かりやすく説明してくださいました。

がんの治療法は、大きく変化している


 そして最後は、(財)脳神経疾患研究所附属呼吸器疾患研究所所長の宮元秀昭先生。「女性喫煙者の増加に伴って、今後は女性の肺がん患者が急増する」「主流煙よりも副流煙の方が、発癌性物質の濃度が高い」「女性の方が、喫煙による悪影響を受けやすい」などのデータが示されました。

 さらに、がん治療を俯瞰する説明もありました。最近30年の治療法の変遷を示したうえで、「部位ごとだったがんの分類・研究・治療が、今後は遺伝子ごとになるだろう」との予見を紹介しました。ご自身が肺がん手術のスペシャリストであるにもかかわらず、「外科医も、切るだけでなく様々な治療法を勉強しないといけない」と考え、実際に「陽子線(放射線の一種)治療」に取り組んでいるそうです。結びのメッセージは、「これだけ医療は時代とともに変化している。がんになっても、あきらめないで!」という力強いものでした。

特定非営利活動法人 女性呼吸器疾患研究機構
NPO Women’s Respiratory Disease Research Organization (WORED)
TEL/FAX: 03-6382-6894 URL: http://www.wored.or.jp

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