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[イベント調査隊が行く] 2010/01/15[金]

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 最近、「マンモグラフィーによる乳がん検診は40代女性に推奨しない」との勧告が米国で出されて(USPSTF:米国予防サービス調査特別委員会)、大きな波紋を呼んでいます。がん検診に限らず、健診(メタボ健診など)や検診の類を批判する医師は珍しくなく、「百害あって一利なし」と言い切る専門家もいます。
 『がん検診は誤解だらけ』という著作が話題となっている、がん検診の第一人者:斎藤博氏(国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診研究部長)の講演が聞けるというので、「オンコロジーメディアセミナー」(主催:NPO法人がん医療研修機構、大鵬薬品工業株式会社)にお邪魔しました。

有効と断言できるがん検診は、3つしかない

 斎藤先生は冒頭、「がんによる死亡」の3分の1は禁煙など予防で回避でき、もう3分の1は検診によって回避することができる(つまり正しい予防と検診をやればがんの死亡者は3分の1に減る)、と「がん検診の意義」を力強く語りました。
 そのうえで、「英米などでは成果上がっている検診があるのに、日本のがん検診は30年の歴史にもかかわらず、死亡率を下げる成果はほとんどない。正しい検診が正しく実施されていないからだ。」と問題を指摘しました。正しい検診とは「有効性が確立された検診」を指し、正しく実施とは「徹底的な精度管理」を意味します。
 前者の「有効性が確立された検診」は3つしかなく、具体的には「子宮がんの細胞診」「乳がんのマンモグラフィ検査」「大腸がんの便潜血検査」だけ。他の検診、例えば胃の内視鏡検査、肺がんのCT検査、前立腺がん検査は、有効かどうか分かっていないため国策としては行っていない国が多いそうです。
 日本では、こうした「推奨されないがん検診」が市町村で漫然と行われている一方で、3つの「科学的に有効性が証明されているがん検診」がわずか20%しか受診されていないそうです。ショックですね。

早期発見すれば良いというわけではない

 こうなってしまった一番の理由は、「がんを早期発見すれば死亡が減る」「検診はやらないよりやる方がよい」という誤解の蔓延です。例えばCTによる肺がん検診では、非喫煙者や女性が対象の場合には、過剰診断がん(=放置しても症状が出るほど進行せず、検診を受けなければ診断されることのなかったがん)が、要治療がんの8倍近く見つかってしまう可能性があります。つまり、命に別条のないがんが無駄に発見されているだけで、これは単なる医療者の自己満足でないか?というお話でした。
 そして無駄な検診は、むしろマイナスの検診なのです。これが「検診はやらないよりやる方がよい」という誤解、のお話ですが・・・精密検査や治療には一定頻度で必ず副作用が伴い、ごく稀ですが死亡例だってあるそうです。さらには「がんになってしまった不安が中長期にわたって続く」ことのQOL低下を、日本では軽視し過ぎだとおっしゃっていました。加えて、お金の損失もあります。つまり、がん検診(に限らず医療行為)には必ず不利益があることを、もっと多くの人が認識すべきなのです。そして、「有効性が未確認のがん検診」に分散されている労力や費用を、もっと「有効性が確認されたがん検診」の受診率アップに向けるべきなのです。

シェアード・ディシジョン・メイキング

 なお斎藤先生は、胃の内視鏡検査など「有効性が未確認のがん検診」が含まれる、例えば人間ドックなどを全面否定するわけではなく、患者個人の価値観で受けるぶんには良しとして、これを「任意型検診」と呼んでいます。国策として行う「対策型検診」とは別の区分です。ただしその場合でも、不利益が利益を上回る可能性や具体的なリスク内容を、医療者が患者に情報提供したうえで一緒に意思決定する「Shared Decision Making」が前提だと主張されました。

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がん検診は誤解だらけ―何を選んでどう受ける (NHK出版生活人新書) 内容…「がん検診を受けるのは症状が出てからでも間に合う」「がん検診を受けるなら、がんがたくさん見つかるハイテク検診で」など、がん検診には多くの誤解がある。しかし、がんによる死を防ぐ確実な方法は、有効ながん検診を適切に受けることだ。さまざまな誤解が効果のあるがん検診の妨げになっている。国際基準に照らして初めて明かされる、死亡率を下げる効果のあるがん検診とは。(Amazonより)

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