[花粉症のくしゃみ、鼻水、鼻づまりでお困りの方へ] 2022/02/03[木]

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花粉症(アレルギー性鼻炎)の人は日本人全体の半数近くにのぼるという報告があり1)、花粉症はもはや国民病といっても過言ではないかもしれません。スギ花粉を筆頭に、日本では季節ごとにさまざまな植物の花粉が飛散するため、人によっては長期間症状が出てしまうこともあります。しかし、毎年症状に悩まされている方でも、早い時期から適切な治療を受け、シーズン中に花粉をなるべく遠ざけることで症状を緩和できることがわかっています2)
ここでは、花粉症の原因と症状、予防と治療の方法をお知らせします。「花粉症かも?」と思ったら、症状が軽くても予防を心がけ、もし日常生活で困っていることがあれば、お医者さんに相談してみましょう。ご自身に合った治療法が見つかるかもしれません。


① 花粉症(アレルギー性鼻炎)の原因と症状

花粉症の原因は、アレルギーの原因となる花粉などの物質=アレルゲンです。症状は鼻と目にあらわれることが多く、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙が出る、といった症状がよく見られます。その他、熱っぽい・だるい、頭が痛い、皮膚のかゆみ・炎症、せき・のどの痛み、といった症状が出る人もいます3)


② 花粉症(アレルギー性鼻炎)の予防方法

アレルゲンとなる物質を遠ざけることが、花粉症の予防になります。症状の軽い・重いに関わらず、普段の生活の中でアレルゲンを遠ざけることで症状の悪化を抑えられる可能性があります2)。花粉シーズン中は、ぜひ下記の予防方法を取り入れてみましょう。

花粉症の予防方法

  • 外出時は、メガネ・マスクを着用する
  • 上着やコートは毛織物を避け、表面がすべすべしているポリエステルなどの化学繊維や綿を選ぶ
  • 外出から戻ったら、玄関に入る前に頭や服についた花粉をよく払い落とす
  • 外出から戻ったら、うがい・洗顔・目の洗浄をする
  • 洗濯物を外に干さない

花粉などのアレルゲンを避けることは大切ですが、いつでもどこでも完璧に避け続けることは難しいものです。気にし過ぎるとかえってストレスになってしまいますので、ご自身の生活に取り入れられる範囲で予防を心がけるようにしてください。また、花粉を避けるためだけに、自分の楽しみや趣味をあきらめたり制限したりするのではなく、できる範囲の予防とともに、お医者さんの受診やお薬などによる治療も検討してみましょう。

③ 花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療方法

花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療で一般的なのは、お薬による治療です。お薬には様々な剤形(種類)があり、それぞれに特徴があるため、ご自身の症状や生活スタイルに合ったお薬選びが大切です。どのお薬が合いそうか、下の表で確認してみましょう。

剤形 主な特徴
飲み薬(経口剤・内服薬)

  • 持ち運びしやすく、取り扱いが容易
  • お薬の効果が早くあらわれる(図1)
  • 消化器系の調子がよくないときには使用を避けるほうがよい
貼り薬(貼付剤)

  • 貼るだけで簡単に治療できる
  • 一日中効果が持続する(図1)
  • 貼っていることを確認できるため、服薬を忘れにくい
  • 貼った場所に、かゆみやかぶれなどが出ることがある4)
点鼻薬

  • 鼻粘膜から速やかに吸収され、局所的に作用する
  • 鼻をかんでから使う、使用後は先端をきれいに拭く、など、お薬の取り扱いに手間がかかる

なお、お薬による治療以外にも、アレルゲン免疫療法や外科的手術といった治療法もあります。お医者さんに相談すると、あなたに合った治療法を提案してもらえるかもしれません。ひとりで悩まずに、一度医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

④ 受診のススメ

花粉症の治療をあきらめてしまっていたり、医療機関の受診をためらったりしている方もいるでしょう。
「症状が軽いから市販のお薬で対処できる」、「医療機関を受診する時間がもったいない」、「お医者さんにどう相談したらいいかわからない」といった理由で受診をせずにいる方は、あなたに合った治療に出会う機会を逃してしまっているかもしれません。下記のような事例に当てはまる方は、QOL(生活の質)の低下が懸念されます。お医者さんに相談してみることが、よりよい治療とQOL向上への第一歩です。

  • よく眠れない、肌が荒れるなど、生活に不自由がある
  • 手元に常にお薬がないと落ち着かない
  • 大事な会議中などに症状が出てしまわないか不安になる
  • 仕事や勉強に集中できない、趣味を楽しめない

常に不安を抱えていたり、睡眠時間を削られながら日々の生活を送ることは、とても大変です。花粉症の治療によって体調不良やストレスを緩和できれば、生活をより充実させることができます。
しかし、医療機関を受診したいけれど、お医者さんに何をどう伝えたらいいのかわからない、という方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、下記の「診察時に伝えるポイント」を参考にしてみましょう。症状や困りごとに加え、ご自身の希望をお医者さんに伝えることも、よりよい治療に出会うために重要です。

診察時に伝えるポイント
花粉症の症状
  • 鼻づまりが一日中続く
  • 朝に症状が強くなる
  • 外出時だけ症状が出る、など
ストレスや辛いと感じること
  • 仕事中に鼻水が出て集中できない
  • 鼻づまりで眠れない、など
解消したい困りごと
  • 朝に症状がひどくなるのを防ぎたい
  • 職場で症状が出る
  • 日中にお薬の効果が切れてしまう
  • 症状がひどいときだけ対応したい、など
治療に対する要望
  • 自分に合った治療について相談したい
  • 困りごとを解消できる治療方法を試したい、など

この記事を読んで「花粉症かもしれない」「もっといい治療方法を知りたい」と思ったら、ぜひ一度、医療機関の受診を検討してみてください。花粉症の治療は日々進歩しています。あなたの症状に合ったよりよい治療を受けるために、お医者さんの力を借りてみてはいかがでしょうか。

  • 松原 篤ほか.:日耳. 2020; 123: 485-490.
  • 厚生労働省 花粉症特集https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kafun/index.html (2021/12/8閲覧)
  • 大久保公裕監修『コメディカルが知っておきたい花粉症の正しい知識と治療・セルフケア』 2007; 厚生労働科学研究.
  • 塩原哲夫、大谷道輝『臨床に役立つ 経皮吸収型製剤を使いこなすためのQ&A』 2012; アルタ出版.

提供:久光製薬株式会社

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