[痩身治療] 2019/03/18[月]

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 メスを入れずに、狙ったエリアの皮下脂肪だけを減らすことができる痩身治療「ボディ・コントゥアリング」をご存じですか? 気になる部分だけを狙ってボディラインを整えて、理想の体型に近づけることができる治療法です。このボディ・コントゥアリングの成り立ちや特徴について、臨床試験にも参加したグリーンウッドスキンクリニック立川 院長の青木律先生にお話を伺いました。

脂肪細胞をターゲットとした治療法「ボディ・コントゥアリング」誕生の裏に、アイスキャンディ?

ボディ・コントゥアリングで部分的に皮下脂肪を減らすことができる仕組みを教えてください。
青木先生:ボディ・コントゥアリングは、低温に弱いという脂肪細胞の性質を利用した治療法です。アイスキャンディをよく食べる子どもの頬の脂肪がへこんでいることにヒントを得て誕生した治療法なんですよ。この治療では、気になる部分の脂肪を、脂肪細胞だけが凍る温度で冷却して減らします。狙った部分以外の皮膚や組織にダメージを与えることはありませんし、治療部位以外の脂肪細胞にも影響を与えません。
 この治療法を開発したのは、米国マサチューセッツ総合病院ウェルマン光医学センターのロックス・アンダーソン先生。現在美容業界で使用されているしみとりレーザーや、あざとりレーザー、脱毛レーザー、フラクショナルレーザーなどのレーザー治療の原理を開発した、美容医療界ではとても高名な先生です。従来は脂肪には、しみやあざ、ムダ毛やニキビのような、ターゲットとなる色素がないため、脂肪をターゲットした治療の開発は難しいとされてきましたが、「温度」に注目することで、脂肪細胞にダイレクトに働きかける道を開きました。これは画期的なことなんです。
冷やして脂肪を減らすという施術は、エステでも提供されています。医療機関で受けるボディ・コントゥアリングとの違いはどこにあるのでしょうか?
青木先生:当院を訪れる患者さんからも「エステで似たようなトリートメントがあって、そちらは数千円で受けられます。ボディ・コントゥアリングとは何が違うのですか?」と聞かれることがあります。結論からいうと、エステで行うトリートメントと医療機関で行うボディ・コントゥアリングは似て非なるものです。両者の違いは大きく2つあります。
 1つ目は、ボディ・コントゥアリングで行う「脂肪細胞を冷却して壊す」という治療は、医療行為です。医療機関ではないエステで生きている細胞を壊すような行為を行うことはできません。なので、エステの施術で脂肪を冷やしても、脂肪細胞が減ることはありません。
 2つ目は実績です。ボディ・コントゥアリングは世界で600万回以上施行されており、52報以上の臨床論文が執筆されている治療法です1, 2)。非侵襲的に脂肪を減らす治療として、日本で唯一厚生労働省から承認された治療法でもあります。厚生労働省の承認を受けたということは、安全性と有効性が科学的根拠によって確認されたことを意味しています。

部分痩せの実現で、痩せ志向の強い日本人の「切らずに痩せたい」ニーズを満たす

痩身治療というと手術というイメージがあり、二の足を踏んでしまいます。
青木先生:日本が世界有数の美容医療大国であることはご存じでしょうか。国際美容外科学会が2016年に調査したデータ3)によると、施行された美容医療の総数は米国、ブラジルに次いで第3位と報告されています。この調査では、韓国や中国など一部の国は含まれていませんので、実際の順位とは少し違うかもしれませんが、日本でも美容医療へのニーズが高いということはわかると思います。
 実施された美容医療のうち、外科手術と非外科治療の割合をみると、日本では米国やブラジルに比べて圧倒的に非外科治療の割合が多く、およそ4分の3以上を占めています。痩身治療に限ってみると、脂肪吸引の施術数は米国・ブラジルでは20万件を超えているのに対し、日本ではわずか8,000件ほど。このことから、日本人は外科的な手術には消極的で、切らずにキレイになりたいと希望する方が多いことがわかります。メスを使わない治療法であるボディ・コントゥアリングは、日本人の「切らずに痩せたい」というニーズに合っていると考えられます。
肥満というほどではないのですが、理想の体型を目指して「あと少し痩せたい」人はどうしたらよいでしょうか?
青木先生:世界保健機関(WHO)の統計でも示されているように4)、日本人は世界的にみても肥満の方が少ない国です。さらに日本の場合は肥満の方が少ないだけではなく、痩せ志向が強いことを示すデータがあります。東京家政学院大学の古川先生らによる体型別自己像を調べた研究5)によると、客観的なデータであるBMI値で普通体型に分類されている人の半数以上は、自分の体型を「やや肥満」だと思っていることが示されています。また、新潟青稜大学の半藤先生らが実測体型と満足度について調べた研究6)によると、BMI値で「痩せ」の人の40%、「普通」の人の80%が、自分の体型に満足していないという結果が報告されています。これらの報告から、日本人はやや低体重ぎみのほうが理想的な体形だと考える傾向があり、痩せ志向が強いということがわかります。
 もともと日本人には米国やブラジルのような肥満の方は少ないため、脂肪吸引のような外科手術は不要です。それでも「痩せたい」と思う方は、「もう少しこの部分を細くしたい」という思いを持った方ですから、必要なのは部分痩せです。ボディ・コントゥアリングは希望する部位の皮下脂肪だけにアプローチして減らすことにより、部分痩せを実現し、ボディラインをデザインできます。こうした特徴から、ボディ・コントゥアリングは痩身治療を希望する日本の患者さんの要望に応えることができる、日本の事情に適した治療法ではないかと考えています。
(QLife編集部)
1)Allegan社内データ
2)Allergan Virtual Library
3)国際美容外科学会(ISAPS):International Survey on Aesthetic/Cosmetic Procedures performed in 2017(2019年1月22日閲覧)
4)World Health Organization:Global Health Observatory data repository(2019年1月22日閲覧)
5)古川利温ほか:東京家政学院大学紀要 自然科学・工学系 (43):15-21, 2003.
6)半藤保ほか:新潟青陵学会誌 1(1):53-59, 2009
提供 アラガン・ジャパン株式会社
グリーンウッドスキンクリニック立川 院長 青木律(あおき りつ)先生
グリーンウッドスキンクリニック立川 院長
青木律(あおき りつ)先生
1988年 日本医科大学卒業
医学博士、日本形成外科学会認定 形成外科専門医、日本美容外科学会(JSAPS)理事、(公)日本美容医療協会理事長、(公)顔と心と体研究会理事、日本抗加齢医学会理事、他多数学会会員
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