[おしりの事情 を大研究] 2009/02/06[金]

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雪の降り始めた札幌に、熱気あふれるセミナー

突然ですが、雪の季節に入った札幌に行ってきました!
なぜかというと、痔に関する健康セミナーが開催され、そこで痔の治療に関する質疑応答が行われると聞いたからなのです。こんな機会はなかなかありません。これは聞いてこなくちゃ!

寒風が吹きすさぶ季節、時計台からほど近い会場には、本当にたくさんの方がつめかけていました。会場前から長蛇の列が並び、会場でも「お席をつめて、皆様が座れるようにご協力お願いいたします」とくりかえしアナウンスされるほどでした。本当に、ここだけに熱気が集まったかのような人気ぶりです。

多くのギモン・シツモンが寄せられていました

「おしりと大腸の健康づくりを考える」と題して行われたこのセミナー。第一部は地元北海道で実績のある医師の方々による講演、第二部がパネルディスカッションという形をとりつつ、事前に集められたギモン、シツモンを採り上げて答えていくという内容でした。今回は当セミナーにて実際に患者さんから質問された内容と回答をできる限り紹介しました。皆さんにもこの中で思い当たる節はあるのではないでしょうか?

質問1:「最近、トイレに行くたびに鮮血が見られるのだが、肛門科を受診するか、がん検診(内科)を受けたらよいか迷っています」(63歳男性)
回答:肛門から出血しているのならば、肛門科が第一番の選択肢ですね。最近は肛門科だけでなく、近接する部位の大腸も診察できる施設も多いですから、その意味でも肛門科をおすすめします。その方が経済的でもあります(笑)

toku5_04質問2:「手術をしないでどの程度の痔核(いぼ痔)を治すことが可能か、詳しく教えて頂きたいです。手術をするかどうかの判断基準は、どのようになりますか?」(40歳女性)
回答:いぼ痔の進行度は医学的に分けられていて(下図参照)、そこではI〜IIなら軟膏などの保存的療法、III度以降は手術が必要と言われています。ただし、痔は良性疾患ですのでこの基準によって治療しなければならないというものでもありません。また逆に、軽度のものは手術しなくても完治するのかというと、それは部位によって違ってきたりもするのです。個々のケースでかなり違ってくるものなので、ぜひ医師にご相談ください。

質問3:「肛門からビラビラのようなものが出ています。痛み、出血はありませんが何なのでしょうか?」(70歳男性)
回答:ご年齢から考えますと、肛門皮垂(ひすい)といって、皮膚のたるみだと思われます。特に心配することはありませんが、痛みや腫れがあったり、だんだん大きくなってきているといった症状があるのであれば、医師にご相談ください。

質問4:「肛門付近が時々痒くなりますが、受診した方がよいのでしょうか?」(66歳女性)
回答:大変よくあるご質問ですのでしっかりお答えさせていただきます。かゆみということであれば、薬局で薬を買ってきてそれでしばらく様子を見るというのもあると思います。1〜2週間様子を見て改善がないようであれば、ぜひ肛門科を受診してください。
薬局の薬が合わなくて悪化する、という可能性もありますし、他の疾患である可能性もありますので、様子を見たあとは医師に正しい判断をしてもらうのがベストです。

質問5:「長年いぼ痔で悩んでいます。手術をしないで完全に治るものですか?又、どの程度のものが対象なのか。治療期間、費用など・・」(71歳女性)
回答:もしお悩みの痔が内痔核であれば、注射療法による治療で十分に治る可能性があります。ただ、この治療が適用できるのは、症状によって内痔核全体の4〜6割と言われていますので、すべての患者さんができるわけではありません。費用ですが、保険診療ですのでどこで受診されてもほとんど同じです。目安としては、注射治療+3泊で4〜6万といったところではないでしょうか(差額ベッド代などは除く)。

⇒あのコトのギモン・シツモンに答えます 後編へ続く

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