[おしりの事情 を大研究] 2009/02/06[金]

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多くのギモン・シツモンが寄せられていました

⇒あのコトのギモン・シツモンに答えます 前編はこちら

toku5_06質問6:「9月に注射療法後順調です。今後の日常生活において注意しなければならないことはなんでしょうか?また、アイスホッケー等の激しいスポーツはいつぐらいから可能でしょうか?」(42歳男性)
回答:アイスホッケーは4日くらいでOKですよ(笑)。日常生活についてですが、虫歯を治しても歯磨きしなかったらまた虫歯になるのと同じで、痔になる前と同じような生活をするのはあまりよろしくないと思います。生野菜を食べるようにするとか、規則的な生活や排便を心がけるなどを考えていただければと思います。

質問7: 84歳の母が排便の際に出血して困っています。注射療法の治療の苦痛に耐えられるかどうかも心配です」(54歳女性)
回答:注射療法は、施術の際に痛みがないというのが特徴でもあります。もちろん麻酔をかけた上で行うことが多いですが、痔核はもともと感覚のないところですので、麻酔がなくても痛みはありません。

質問8:「どれくらいの症状の痔まで、市販の薬で間に合わせて良いのですか?」(43歳女性)
回答:そもそもその症状が痔によるものなのかが分かりませんので、最初に一度肛門科を受診なさるのが良いと思います。受診後、手術ではなく軟膏等の投薬治療(保存療法)になることも多いですし、ご心配になることもありません。逆に、自己診断で市販薬を使っていればいいや、ということで放ってしまい、後日診察してみたら実はがんだったというケースがけっこうありますので、ぜひ受診をおすすめします。その方が、やはり経済的です(笑)

質問9:「35歳くらいのときは勝手に切れ痔と判断、市販薬の軟膏を塗布していました。今年の6月頃より排便のあとお尻を拭こうとしたらふっくらとふくらんだ柔らかいものに触り、押し付けると肛門の中に納まる状況です。このふくらんだものの原因と対策をおしえてください」(53歳男性)
回答:裂肛を繰り返していますと、患部の上皮がたるんだりポリープになりますので、おっしゃる通り「ふっくらしたもの」があると感じる状態になります。ポリープと言いましても悪性になることはありません。ですのでその意味では安心していただいて大丈夫ですが、いったんこの状態になりますと戻ることはありませんので、もし気になるようでしたら切除を行うことになります。

質問10:「排便の時間がさまざまなのですが、どのようにすると規則正しい排便ができるようになりますか? 以前、ストレスが原因の便秘と医師から言われたのですが、どのように自分で気をつければよいですか?」(40歳女性)
回答:通常は、朝食を食べますと「胃・大腸反射」、「直腸・結腸反射」と呼ばれる生理現象が起こり、便意をもよおします。この生理現象に逆らって我慢していますと、そのうち便意そのものが減退してしまい、慢性的な便秘になっていくわけです。まずはこの生理現象に逆らわない生活スタイルにするということですね。「行きたくなったら行く」、そして「行きたくなければ行かない」(笑)。無理に規則正しい時間にする必要はありません。
それから、安易に下剤に頼らないこと。胃や腸を必要以上に刺激するおそれがあります。薬ではなく食物繊維を積極的に摂るなど、食生活そのものを変えることに重点を置いてください。

最後の、ためになるメッセージ

toku5_05最後に、パネルディスカッションに出席してくださった医師の皆さんからメッセージがありました。
「皆さん、口腔ケアは日頃からされていると思いますが、入口と出口という意味ではお尻のケアも同じように重要です。肛門科でお尻を見せるのは何も恥ずかしいことではありません。ぜひ積極的に、お気軽に診察を受けてみてください」
確かにその通り、ですね。時間をオーバーして熱心に答えてくださった医師のみなさまの言葉に、来場者の皆さんは大きく頷き、拍手していました。

 今回多くの質問を、できるだけそのまま採録しました。日頃聞きたくても聞けなかった質問内容でしたので、皆さんのお役に立つかと思います!気になる方はぜひ一度、専門の先生に診てもらいましょう。

興奮冷めやらぬセミナーの後は、キレイな札幌の夜景に癒されました。

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