[シェーグレン症候群] 2016/10/21[金]

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武井正美先生 ドライマウス、ドライアイなどの乾燥症状のほか、疲労感や関節の痛みなど、さまざまな症状が現れる自己免疫疾患・シェーグレン症候群。根治する方法はまだなく、国の指定難病となっています。身体面だけでなく、精神面や経済面でも大きな負担を強いられているシェーグレン症候群の患者さんにとって、大きな支えのひとつとなっているのが患者会の存在です。

 「日本シェーグレン症候群患者の会」は、会報や講演会などを通して患者さんのサポートを行うほかにも、国内のシェーグレン症候群患者さんの実態についての調査結果をまとめた「日本シェーグレン白書」を発行。医療関係者をはじめ、世の中に「患者さんの生の声」を伝え、シェーグレン症候群への理解を呼びかけています。

 同患者会の事務局長をつとめている膠原病内科専門医、日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科学分野 部長 主任教授の武井正美先生に、患者さんの置かれている状況や患者会での取り組み、国のサポート体制についてお話を伺いました。

口や目の乾燥症状のほか、倦怠感がとれることを期待

 シェーグレン症候群ではさまざまな症状が現れるため、膠原病内科だけでなく、眼科や歯科など、複数の診療科にかかっている方も多くいます。
 シェーグレン症候群の患者さんの実態を調査した「日本シェーグレン白書」によると、とくに口や目の乾燥症状がなくなることを多くの患者さんが望んでおり、さらに倦怠感がとれることを期待する声も多くみられます。

治療に期待することグラフ

※日本シェーグレン白書「治療への期待」を基にQLife編集部で作成

かかりつけ医と専門医・専門医同士の連携が重要

 さまざまな症状の改善のためには、かかりつけ医と専門医の連携はもちろん、専門医同士の連携も重要です。例えば、歯科に関しては、虫歯予防や口内の真菌感染予防といったケアも含めてシェーグレン症候群の診察がされているかどうかで、症状の進行度に影響が出ます。専門医を中心としてさまざまな分野の医師、医療関係者が連携していくことが必要です。
 複数の診療科を受診することは、時間的にも経済的にも大変な面があるかもしれませんが、さまざまな症状改善のために主治医と相談しながら治療を継続してください。

患者会でのサポート活動

 患者会である「日本シェーグレン症候群患者の会」は、2016年で設立30年目を数えます。根治療法がない中で、つらい思いをしている患者さんの力に少しでもなりたいと、実際に患者さんを診ている医師や医療関係者などが協力して、医療に関する相談を続けています。そのほかにも講演会や同じ悩みをもつ患者さん同士の交流会なども開催しています。

 遠距離だったり体調面から患者会に参加できない方には、傾聴ボランティア(電話相談)や、患者さんからの質問に、メールや手紙、FAXなどで回答する活動も行っています。こうした活動を通じて、患者さんが不安を解消し、前向きに病気と向き合い、ご家族や周りの方の理解や支援につながることを望んでいます。

新しい医療費助成制度が始まり、2015年1月から指定難病に

 2015年1月1日から新しい医療費助成制度が開始され、シェーグレン症候群が指定難病に選定されました。特定医療費(指定難病)の支給認定を受けると、都道府県より指定されている指定医療機関での窓口負担が、自己負担上限額(金額は所得や重症度に応じて変わります)までになります。

 支給認定を受けられるのは、診断基準に従ってシェーグレン症候群と診断され、かつ重症度判定の基準に従って重症と判断された方のみです。詳細については、主治医またはお住まいの都道府県の保健所などの相談窓口にご相談ください。

病気とうまく付き合う方法を知り、生活を楽しむ工夫を

 治療については、現状では根治療法がないため、症状を軽減させる対症療法が基本ですが、国際的な研究も実施されており、将来治療法が出てくるかもしれないという時代になってきています。シェーグレン症候群は、長期にわたり慢性的に経過しますが、同じ病気にかかっているのは自分ひとりではありません。ぜひ病気とうまく付き合う方法を知り、生活を楽しむ工夫をするよう心掛けましょう。

提供 キッセイ薬品工業株式会社

日本大学医学部 内科学系
血液膠原病内科学分野 部長 主任教授

武井 正美先生

専門分野は、膠原病リウマチ学。対象疾患は、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、混合性結合組織病、ベーチェット病、血管炎症候群、抗リン脂質抗体症候群、リウマチ性多発筋痛症など。
アメリカリウマチ学会正会員、アメリカ免疫学会正会員、日本内科学会、日本リウマチ学会、臨床免疫学会評議員、日本シェーグレン症候群学会理事、「日本シェーグレン症候群患者の会」事務局長、NPO法人 シェーグレンの会 副理事長。

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