[もっと知っておきたいADHD(発達障害)] 2014/03/07[金]

提供:日本イーライリリー株式会社

 ADHD(注意欠如・多動性障害)は発達障害の1つ。忘れっぽい、長い時間集中して話が聞けないなどの「不注意」、体の一部を頻繁に動かしたり、多弁になったりする「多動性」、思いついたまますぐに行動してしまうなどの「衝動性」の3つの特徴の全て、もしくはいずれかが強く現れ、日常生活が困難な状態になることを指します。
 発達障害の原因は詳しくはまだ判明していませんが、脳のさまざまな部位の連動を司る部分の働きが関係することが推測されており、しつけや育て方、家庭環境などが原因ではないことが分かっています。7歳以前からこれらの症状が見られることが多いADHDは、年齢を重ねるにつれ症状は治まっていきますが、近年、約60%の方が成人期になっても、その症状が残るともいわれており、職場や家庭などで困難を感じている方が多くいらっしゃいます。
 ADHDの治療には、まず心理社会的治療として、手帳やメモの利用、苦手行動の手順化といった日常生活の様々の工夫を行います。さらに環境の調整などを行い、職場や学校のストレスを軽減して、安心できる社会生活を送れるようになることを目指します。一定期間経過しても、なかなか改善の兆しが見られなかった場合には、神経伝達をスムーズにするお薬と心理社会的治療を組み合わせて、日常生活でのミスを減らし、自信をもって穏やかに過ごせるように援助します。
 大人のADHDについて、小児のADHDと比較して情報が少なく、医療機関で治療を受けている方はまだ少ないのが現状です。そこでQLifeでは、大人のADHDと診断され、病院で治療を受けた末に、自身の特性を活かした働き方や毎日の過ごし方を見つけたAさんと診察した金沢こころクリニック院長の浜原昭仁先生にお話を伺いました。

Aさん

食品関連の企業で正社員として働いている。現在、チームリーダーとして、約20名のパートの管理も行っている。小さなころから、急に車道に飛び出したり、忘れ物を頻繁にしたりする子どもだったそう。

金沢こころクリニック院長
浜原昭仁(はまはら しょうに)先生

1982年3月金沢大学医学部卒、1986年3月金沢大学大学院医学研究科修了、医学博士修得。1987年4月石川県立高松病院勤務、2005年4月より同病院副院長。2006年10月金沢こころクリニック 開院。精神保健指定医。著書に「こころの手帳」(イーグレープ)。

受診のきっかけ

Aさんのお話
 忘れ物もそうですが、何か集中してしまって他のことは全部忘れてしまう、なんてこともしょっちゅうでした。職場では何か1つのことをするのに、手に取る必要のない物を手に取ったりするなど余計なことをしてしまったり、休みの日には、朝の時点でその日にやりたいことが浮かんでいても、携帯を1回触ってしまうと気がついたら午前中が終わっていたり…。受診するまでは本当に私だけこんな症状を持っているのかなと思ってすごく自分が嫌いでした。受診のきっかけは、TVで見たADHDの特集でした。ほとんどの症状が自分とオーバーラップして、そこで初めて疾患だということを知りました。そしてインターネットで特性や病院のことを調べて、浜原先生の病院を訪れました。

浜原先生から
 初診時にお話しを伺った際、Aさんは物忘れや、たくさんミスがあって職場で苦しい思いをするなど、すべてのことに自信がなくなって、将来へすごく悲観的でした。ADHDの特徴的な症状として、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つがありますが、この症状がある方が全てADHDというわけではありません。ADHDに似た症状が現れる障害は他にもあることに加え、うつなど他の疾患が合併している場合もあるので、複合的な情報からの慎重な判断が必要となります。Aさんの場合、以前にADHDと診断されたことは無かったのですが、小学校時代には、縦笛や習字の道具などの忘れ物が多く、通知表などでも記載されていたということで、ADHDに間違いないだろうというふうに診断できました。残念なことではありますが、ADHDを正しく診断できる医師はまだまだ少ないので、まずは専門医を受診することをおすすめします。

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