[もっと知っておきたいADHD(発達障害)] 2014/03/07[金]

提供:日本イーライリリー株式会社

治療目標の設定~治療

Aさんのお話
 まず、先生からは、メモを色んなところに張ったり、手帳に予定を書いたりして忘れてもすぐに確認できるようにすることをアドバイスいただきました。さらに、会社での作業も自分なりの作業手順を決めて、左から順番よくこなしていくとか、右からやっていくとかのルールを決めて、それに従って行動するように心がけました。合わせてお薬も続けて飲んでいたところ、以前と比べて集中が続くようになったり、忘れ物が少なくなったような実感がありました。とはいうものの、まだ忘れてしまうことは多いのですが。ただ、このまま続ければ、もっと段取りよく、もっと改善できる方向にいけるのかなと思っています。私自身が私を評価していないところがすごくあると思うので、まず自分で自分を評価できるぐらいにはなれるかなと思います。

浜原先生から
 「不注意」「多動性」「衝動性」を治すことだけがADHDの治療目標ではありません。職場や家庭での困難な状況とうまく折り合い、自信をもって充実した生活を送ることが重要です。ADHDの特性と周囲のバランスを改善するためにまずは環境調整を行います。環境調整には「作業を小分けにして1つずつこなす」「頭にうかんだことを細かくメモにとる」「アラームなどでスケジュールを管理する」などさまざまな方法がありますが、いきなり完璧を目指すのではなく、まずは1~2個程度、そしてできるようになったら徐々に増やしていく、というような考えで構いません。一定期間後に振り返り、目標の難易度を低くしたり、お薬を飲むことで「不注意」「多動性」「衝動性」を抑えるなどして、QOLの改善を目指していきます。このように、今置かれている困難な状況を理解し、対処方法を身につけていき、活き活きとした毎日を取り戻すために、長期的な視点と良きサポーターが必要です。専門の医師のアドバイスを受けながら、1つひとつ成功体験を積み重ね、より良い状態を目指してください。

評価・診断 一番大切な部分ですので、子どものころのことや現在の問題について十分に先生に伝えてください。この評価や診断が、その後の全ての基礎となります。
治療の開始 ADHDはあなたの特性とも捉えることができますが、その特性のためにご自分や周りの人が困難を感じている場合には、その特性と周囲の環境とのバランスを改善するために治療を行います。治療は、環境調整などの心理社会的治療からはじめます。
薬による治療の開始 心理社会的治療の効果や、周囲との状況から判断し、必要であれば薬による治療を組み合わせていきます。
維持期間(治療の継続) 治療の継続によって、日々の生活の中で改善している点を感じることが増えていくでしょう。それはあなたの努力による結果です。ご自分の変化を自覚し、自信につなげてください。
治療の再検討 職場や学校、家庭で困っていた状態が好転し、それが十分な期間維持できたら、今後の治療の必要性を再検討します。薬の中断はタイミングも重要ですので、あせらずに十分な期間をとり、服用を中止するときは、必ず医師と相談して決めましょう。
目標の達成/治療終了、経過観察 しばらく様子を見て、ご自身で生活を組み立てる自信がつき、周囲と折り合いをつけることができるようになれば、治療は終了となります。環境や状況の著しい変化などにより症状コントロールが困難になるような場合は、再び治療が必要になることもあります。必要なときに必要な支援を受けられることが大切です。

そしてこれから

Aさんのお話
 これまでは、失敗が怖くて、自分で自分にブレーキかけているようなところがすごく大きかったのですが、これからは、困難にもしっかりと対処し、何かを成し遂げていきたいですね。同じ症状で悩んでいる方もいらっしゃると思いますが、ぜひ相談してみてほしいです。前向きになれる可能性があると思うので、自分でちょっと一歩踏み出してもらえれば、ちょっと変わるんじゃないかなと思います。

浜原先生から
 ADHDは治療の研究が進み、さらにはお薬で改善できるようになりました。人間の心はコップのようなもので、ストレスは水に例えられます。水があふれると、パニックやうつのような様々の症状が出ます。空のコップであれば、そこに水というストレスが少々入ってきたとしても水があふれることはありません。しかし、ADHDの症状があると、生活のしづらさが続いているのでいつもコップに半分以上の水が溜まっているような状態といえます。まずはこのコップの中の水を減らすために、専門医の先生を受診することをおすすめします。

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