喘息患者さんが利用できる医療費助成制度~“お金”が理由で治療をあきらめない~
[重症/難治性喘息の医療費助成] 2024/12/05[木]
<生物学的製剤投与中または生物学的製剤の投与をご検討されている方へ>
治療をしっかりと行っているにもかからず、症状が安定しない重症喘息※1患者さんに対しては、医師から他の治療選択肢が提示される場合もあります。しかし、治療費がこれまでよりも高額になる場合、治療費が心配でなかなか別の治療に踏み出せない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで掲載しているマンガでは、重症喘息患者さんが新たな治療を始める姿を通して、日本アレルギー協会が実施している「重症/難治性喘息患者医療費助成」について紹介しています。本助成は、世帯所得200万円以内の患者さんの経済的負担を軽減して、生物学的製剤による治療の開始と、その効果判定を手助けすることを目的に実施されています。「先生から言われた通りにきちんと治療をしているのに、症状が安定しない」という方は、ぜひご覧になってみてください。
※1 重症喘息1): 重症喘息と難治性喘息はほぼ同じ意味とされる。コントロールに高用量吸入ステロイド、および長時間作用型β2刺激薬、加えてロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤、長時間作用型抗コリン薬、経口ステロイド薬、生物学的製剤の投与を要する喘息、またはこれらの治療でもコントロール不能の喘息のこと。
1) 一般社団法人日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会(監).喘息予防・管理ガイドライン 2021.東京:協和企画:2021.
東田 有智先生からのメッセージ
患者さんが治療をしっかりと行っているにもかかわらず、日常生活に何らかの制限があると感じている場合は、今の治療が症状に合っていない可能性があります。そのため、少しでも生活に制限を感じていらっしゃるのであれば、今の治療内容について今一度、主治医に相談してみるといいでしょう。
それでも症状が良くならないという方には、生物学的製剤などの治療選択肢もあります。費用面などが心配で、そうした治療に踏み出すことを躊躇してしまうことがあるかもしれませんが、日本アレルギー協会では、医療費が原因で治療を諦めずにすむように「重症/難治性喘息患者医療費助成」(以下、本助成)を設けています。申請時には、日本呼吸器学会または日本アレルギー学会の専門医が申請書類に必要事項を記載する必要がありますので、本助成を利用されたい方は、その旨も含めて主治医に相談してみてください。
なお、本助成をご存じではない先生方も多くいらっしゃるかと思います。そのような場合には日本アレルギー協会Webサイトの『重症/難治性喘息患者に対する低所得者への医療費の一部助成事業』に関する情報を印刷したり、スマートフォンの画面を見せながら相談してみると良いでしょう。 “喘息による制限を受けない”という当たり前の日常が皆さまに訪れることを、切に願っております。
東田 有智(とうだ ゆうぢ)先生
近畿大学病院 特任教授/病院長(近畿大学病院統括)
1980年に近畿大学医学部卒業後、米国Mayo Clinic Dept. of Immunology(Prof.Gleich) への留学などを経て、2002年より近畿大学医学部 呼吸器・アレルギー内科教授。2020年より一般社団法人日本喘息学会 理事長、2022年より公益財団法人日本アレルギー協会 理事長を務め、現在に至る。
提供:ノバルティスファーマ株式会社
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