[ヘルスケアニュース] 2015/05/26[火]

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血液検査は“沈黙の臓器”肝臓の“声を聞く”手段の1つ

 高い再生能力がある肝臓は、たとえ一部が働かなくなっても、肝臓のその他の部分がそれを補う能力があります。つまり、軽微なダメージを受けても、それを症状として出すことはあまりありません。ダメージが蓄積し、ある一定のラインを超えたときに、はじめて黄疸など、外からでも分かる症状が現れます。

 ところが、その時には肝臓は、引き返せないほどの大きなダメージを受けているのです。それが肝臓が“沈黙の臓器”と呼ばれるゆえんです。肝臓の“声なき声”を聞く方法の1つが毎年の健診などで行われる血液検査ですが、どの結果が肝臓の健康を表しているか、分かりにくいと感じたことはありませんか?そこで、代表的な肝機能を調べる血液検査が、どのような内容なのかを解説します。

(基準値はすべて、日本臨床検査医学会「臨床検査のガイドラインJSLM2012」より)

肝機能を調べる主要な血液検査項目とその基準値

■ZTT 基準値:4~12KU
血液の中には血清たんぱくが含まれていて、その大部分は肝臓で作られています。ZTTは血液に硫酸亜鉛という試薬を混ぜ、その濁り具合を調べることで、肝臓の状態の変化を把握します。基準値の範囲を超えることはそのまま肝臓の状態が悪いということには直接的にはつながりませんが、さらに詳しい検査が必要となります。

■GOT・AST 基準値:10~35U/L ■GPT・ALT 基準値:5~30U/L
GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)またはAST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸転移酵素)またはALT(アラニンアミノ基転移酵素)は主に肝細胞に含まれる酵素で、肝細胞が破壊されると、血液中に流れ出し、数値が高くなります。特にGPTはほとんどが肝細胞に含まれているので、この数値が高くなると肝細胞の破壊を意味し、肝臓の病気が疑われます。

■γ-GTP 基準値:男性10~50U/L、女性10~30U/L
γ-GTPは、γグルタミルトランスペプチダーゼと呼ばれ、たんぱく質を分解・合成する働きをする酵素です。アルコールが原因となる脂肪肝などで、肝臓の働きが悪くなると、このγ-GTPが血液中に漏れ出し、数値が高くなります。また、別の病気で処方されたお薬の副作用としてこの値が高くなる場合もあります。

■ALP 基準値:100~350U/L
アルカリホスファターゼと呼ばれる酵素です。肝臓では胆汁と呼ばれる消化液が作られていますが、肝臓の障害によりこの胆汁の流れが悪くなると、胆汁中に含まれるALPが血液中に漏れ出し、値が高くなります。

■総蛋白(たんぱく) 基準値:6.5~8.0g/dL
血液中に含まれるたんぱく質の量を調べます。血液中のたんぱく質の大部分は、アルブミンといグロブリンという2つのたんぱく質が占めています。肝臓の機能が低下すると、アルブミンを作る働きが弱くなります。総蛋白の量は、脱水や栄養不良、膠原病などでも変化するので、異常値が出た場合は他の検査結果と合わせた総合的な診断が必要になります。

■総ビリルビン 基準値:0.2~1.2mg/dL
赤血球が破壊されたときに作られる黄色の色素です。よく、「あざ」の周囲が黄色くなるのはこのビリルビンが生成されるため。血液中にこのビリルビンの量が多くなると、顔を中心に皮膚が黄色になるいわゆる「黄疸」が現れます。さらに高くなると、黒ずんでくる場合もあります。

 「症状が出てからでは遅すぎる」といっても過言ではない肝臓の病気。定期的な健診を受けるだけでなく、その数値にも注意しましょう。(QLife編集部)

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